渋谷は本屋のブラックホール? ブックファースト閉店について

渋谷駅からセンター街を通り抜けて歩くと言う、ちょっと不便な場所にあったブックファーストですが、この10月に閉店しちゃうそうです。
そして「新生・渋谷店」として、もともとは旭屋書店の渋谷店があった場所に「売り場面積200坪」(現在の渋谷店の約5分の1)と、こじんまりとした店を再オープンさせるというのです。
シブヤ経済新聞より)
うーん、200坪と言えばまあ街の本屋さんとしては大きい方だと思うのですが、これまで「大型書店」を見慣れてきた身としては、定点観測をするには、ちょっと面白みのないお店になってしまいそうなのですね。
ブックファーストは、この大きな渋谷店を閉めて、その代わりに現在、新宿で工事中のビルに、2フロアで1000坪という店をオープンさせるとのことです。
(新生「ブックファースト新宿店」については、「新宿経済新聞」に店が入る50階建てビルの完成予想図とともに詳細記事があります)
新宿ってこれまでにも紀伊國屋書店が2店舗あったところに、ジュンク堂がオープンさせているし、またブックファースト自体も、ルミネの中に小さな店舗ながら2店も構えているはずなのに、改めて1000坪もの巨大店をオープンさせるというのは……どういうことでしょう。殴り込みを掛けるつもりなのでしょうか。
まあ紀伊國屋書店はJR東口に南口、ジュンク堂は地下鉄新宿駅ということで、今度オープンさせる新宿店は西口と離れているから、ある程度の採算はあるのでしょうが……。

しかし渋谷を離れる理由としては、先のWeb記事にしても、また営業母体の阪急電鉄のニュースリリースにしても「入居しているビルの建て替えのため」としか発表されていません。
ところがこちらのブログでは、より生々しい情報が掲載されていました。
要約されたブログの内容をさらに要約すると、ブックファースト入居後にビルのオーナーが代わり、家賃アップではなく立ち退きを要求するも、ブックファースト側は拒否。しかしながらついに撤退を決めた……ということなのだとか。
何だか最近、地価がまた上昇傾向にあり、またオフィスビルもほぼ満室状態が続き、外資もニッポンの不動産事業に乗り出してきているという新聞報道を見ているなかで、こうした「立ち退き話」を聞くと、1980年代のニッポンに戻ってきているかのような気にもなります。

いずれにしろ、渋谷の街には、この秋からは定点観測としての面白みのある本屋さんがなくなってしまうのではないでしょか。
渋谷の街での時間つぶしが出来なくなるのではないかと、ちょっと……、いや、かなり心配なのです。
渋谷センター街には青山ブックセンターが、また渋谷パルコにはリブロと、いずれもマニアックな品揃えの本屋さんもあるにはあります。
しかしこれらの店舗は、あいにくとぼくの趣味にあっていないのか、「本屋ウォッチャー」としてワクワクさせられるような仕掛けがないのですね。
すると、あとは青山ブックセンターの本店か……。
確かにここであれば適度なお店の広さがあるし、またマニアックな品揃えで内容も充実しているし、各種イベントもよく開催されているし、どこをとってもとても楽しめるのですが……。
いかんせん、渋谷駅からはメチャクチャ遠いのです……。

そんなことを考えながら、ブックファースト渋谷店に行くと、なぜか筒井康隆の最新刊『巨船ベラス・レトラス』のサイン本が1冊だけ残っていたのでした。
阪急グループということで、関西から手を回して入荷したのでしょうか。
「新生・渋谷店」でも、こういったサプライズな品揃えはあるのでしょうか。
相変わらず達筆な筒井康隆の墨字によるサイン(というより、これはもう立派な署名ですね……って、毎回書いているような気がします)を惚れ惚れとした気持ちで眺めながら、ブックファーストのない渋谷の街に思いを巡らせてみるのですが……
ムリでした。
なぜかブックファースト渋谷店に1冊だけ残っていた筒井康隆の新刊『巨船ベラス・レトラス』

コメント

この本、文新堂書店にありました。(もちろんサイン本)

買いましたが、あと5冊程ありました。

もうマンネリ化してる感じです。

銀・・・何とかの果てのサイン本、NANASEか何だか分からないけどそのサイン本もこっそりと置いてありました。

相変わらずカッコいいというか、自分もこんな字を書けたらなぁと見る度思います。

いやあこれは驚きです。。というか、大きな痛手です。
だって僕が一番よく行く街が渋谷であり、そうすると自然ブックファーストが一番利用する本屋であったからです。そういえば、パルコもあったなというぐらいで。。
こうなると、ジュンク堂に渋谷に乗り込んできてもらうしかありませんね。この前の「カンブリア宮殿」も面白く見てました。

●神戸市垂水区さん:
そう言えば、伊坂幸太郎も仙台ではよくサイン本が売られているのを見かけると聞きますね。
やはり地元の本屋さんからは「先生、ちょっとお願いしますよ」と新刊本が入るとお願いをされるのでしょうか。
ところで「NANASE」というのは、七瀬シリーズの何か新しいものなんでしょうか。
ちょっと気になってしまいました。
(「銀・・・何とかの果て」というのは、老人版『バトルロワイヤル』である『銀齢の果て』でしょうね)

●Ruckyさん:
そうなんですよ!
ぼくもこのニュースをきいて大ショックです。
渋谷からブックファーストのあの巨大店がなくなると、ホント、もう大きな本屋がなくなっちゃいますね。
(TUTAYAは大きいですが、品揃えがあまりに普通すぎて面白くないですし)
ジュンク堂は、関西にいた頃は大阪本店と難波店でよくお世話になっていたのですが、関東に来てからは池袋に行く機会がないですし、新宿店も三越の上にフロアがあって、ちょっと足を運びにくい……。
なので、ここはひとつ渋谷にドカーンと来てほしいですね。
しかし「カンブリア宮殿」の噂はよく聞くのですが、しくしく、全然知りませんでした。
非常に面白かったそうですね。