気になっていた線路向こうの広告

前々から、ずっと気になって仕方がなかったのです。線路向こうにある広告。
あれはいったい誰が、いつ、どうやって貼り出したり、貼り替えたりしているのでしょうか。

例えばこれ。
新橋駅に停車中の車内から、ちょうどドア窓の向こうにどんぴしゃり見えるauの看板です。
新橋駅の停車中のドアからちょうど見えるauの看板
こんな電車の窓から手が届きそうなところにある広告なんて危なっかしくておちおち作業していられませんよね。

あるいはこれ。 以前に「R25の新しい配布スタイル」として注目した線路向こうの空き広告。
いつかはここにだって広告がうまる日が来るのですよ
これだって線路内で作業しているときに電車が来ようものなら逃げ場もなく、かなりデインジャラスな作業となってしまうのです。

ただ、駅のポスターや車内の釣り広告を替えているのは見たことがあります。
これは広告を抱えたお兄ちゃんがやってきては、サササッと取り替えては颯爽と立ち去って行くのですね。
するとやはり、こうした線路向こうの広告も、広告貼りのお兄さんがやってきては、サササッと取り替えて去っていくのでしょうか。
しかし線路上での作業ということで、いつでもOKと言うわけにはいきません。安全のためにも、終電車が出たあとになるのでしょう。
そのためには「深夜割増手当」を払わなければなりません。
すると会社としては少しでも経費を抑えるために広告貼りのお兄さんの人数は最低限に絞られてしまい、結果、深夜にひとり孤独に耐えながら広告の取り替え作業を行っているのだと思っていました。

ところが、今日の夜7時、渋谷駅でのことです。
連休のはざまの平日とはいえ、帰宅するサラリーマンやOL、あるいは遊びに出ている学生たちでごった返しています。
電車が次々とやってきては発車していきます。
そんななか、工事の格好をした作業員たちが電車のくる合間を縫って線路上にいたのでした。
何やら抱えた工事服姿の作業員たちが駅構内の線路上に集結

皆で何やら材料のようなものを抱えています。
何か不具合でも見つかって、今から緊急の工事でもするのかなと思っていると……おお!
工事の材料を広げたのですよ、広げました。
そしてそこから現れたのは、何やらスタイリッシュな印刷物。
そうです、工事の材料だと思っていたのは紛う事なき、大きな広告だったのです。
工事の材料だと思っていた“何か”は、広告なのでした
大きさにすると4畳半か6畳はあるでしょうか。
その上で十分に生活できそうなほどの大きさなんです。
その大きな広告を、作業員たちは線路上で「いっせーのせ」で広げているのですよ。
つまり、長年疑問に思っていた「線路向こうの広告」は

わざわざラッシュ時間に、電車の来る合間をぬって行われている

のでした。

しかし、昼間のまだ本数が少ない時間ならまだしも、なぜこんな帰宅時間のピークを狙って作業しているのでしょうか。
余計に危なっかしくて仕方がないのですが……。
そう思いながらも、こうした「線路向こうの広告を取り替える」光景はなかなか見られるものではないので、見物していると……判りましたよ!
それは

注目度が高まるから

なんですね。

この作業の様子は、ずでに「ぼく」という人間が立ち止まって、食い入るように眺めています。
また通り過ぎゆく人たちも、ホラ……
作業の様子をメチャクチャ見てます
メチャクチャ見てます。
つまり、普通に昼間のうちに広告を貼りだしてしまうよりも、作業をしているところを見せている方が、「いったい何かな」と広告そのものを見られる確率が抜群に高くなると言うことなんですね。
これだけで広告費用はグンと高く取れるというものです。

うーん、マーケティングの世界とはかくも深いものなんですね。
(いや、マーケティングは関係ありません)