万城目学サイン色紙はどこだ

万城目学のデビュー作が『鴨川ホルモー』。
そのタイトルからして、てっきり鴨川でホルモン焼きをする大学生たちを瑞々しく描いた"青春バーベキュー物語"だと思っていたのですよ。
しかし出版社は、「産業編集センター」なる聞いたことのない会社。
これはひょっとすると自費出版系の胡散くさい小説モドキなのか......と思っていたのですね。

ところがある日、よくよく見てみると「第4回ボイルドエッグズ新人賞受賞作」とあるではないですか。
それだったら安心して読めます。
何しろ第1回受賞作の日向まさみち『本格推理委員会』がかなり面白かったのと、そもそも「ボイルドエッグズ新人賞」自体これまで6回も実施しているのに、受賞作はこの『鴨川ホルモー』を含めて3作だけなんですね。
つまり、あとはずっと「該当作なし」だったのです。そこがまた良心的に思えるのです。

そんな訳で読んでみたのですが......メチャクチャ面白いじゃないですか。
しかも「自費出版系のようで胡散くさい本だ」と思っていたのはぼくだけだったようで、あれよあれよとあちこちの本屋さんで大きく扱うようになっていったのです。
記憶に新しいところでは本屋大賞の候補にもなっていましたよね。結果は残念でしたが。
万城目学『鴨川ホルモー』
万城目学『鴨川ホルモー』

そんな本屋大賞の興奮も冷めやらないこのナイスなタイミングで第2作が出たのですよ。
今度は幻冬舎からです。
これなら「胡散くさい自費出版系の小説モドキじゃないの?」と勘違いされることもありません。
が......今度もまたタイトルが......
万城目学『鹿男あをによし』
万城目学『鹿男あをによし』

やっぱり胡散くさい!

その2作目が、サイン本として特設平台にドーンと山積みになっていたのでした。 満を持しての2作目登場、万城目学『鹿男あをによし』
しかしその特設平台をよくよく見てみると......あれ?
平台の下、足元に何かあるのです。
平台の下の方、よく見えないところに何かがあるのでした
屈み込まないとよく見えない、そんな位置に何が張られているのか見てみると......オオウ!
なぜかこんなところに万城目学のサイン色紙が......
これは本人直筆のサイン色紙じゃないですか。 立派な販促グッズじゃないですか!
なぜにこんな、足の下の方の誰も気が付かない、気が付いてもしゃがまないとよく見えない位置に張り出しているのでしょうか。
こんな場所、下手したらお客さんに蹴られちゃいますよ。
雨の日なんて、雨滴の垂れる傘が通りがかりに触れたりして汚してしまったり、最悪の場合インクが滲んできたりしそうなのです。
他に張り出すところがなかったのでしょうか。
だったら、棚の上にそびえる巨大な販促看板を外して入れ替えちゃえばいいのに......と思ったところで、ああっ!
ここにも作者からの手書き(らしき)メッセージが書かれてあったのです。
巨大販促看板にも、著者の手書き(らしき)メッセージが......

きっとこうした販促グッズの数々が、一気に送られてきた本屋さんは、何をどこに飾るかの優先順位をあれこれ議論したことでしょう。

「どうする?」
「どっちのグッズも万城目センセイの手書き入りだからなあ」
「手荒に扱う訳にはいかないよな」
「下手すると、もう取り次いでもらえないかもよ」
「それは困るな、メチャクチャ困るぞ」
「うーん。じゃあ、どうしようか......」

紛糾する議論。
そしてやはり決め手になったのは、「蹴られても大丈夫なこと」
それには、ビニール袋に入れて汚れないように厳重に管理することしかありませんよね。
こうして、ビニールには入れらない巨大なPOP看板は棚の上に設置され、もどもと入っていたビニール袋に再び入れられた色紙が棚の下に張り出されてしまったのでした。
(ものすごい勝手な憶測だけで書いています)

ちなみに、左側が『鴨川ホルモー』で右側が『鹿男あをによし』です。
ああ、『鴨川ホルモー』のときは日付が入っていたのですね。
『鴨川ホルモー』の万城目学サイン 『鹿男あをによし』の万城目学サイン
米澤穂信張りにダイナミックなサインな、万城目学なのでした。

コメント

おっ、隣に並べられているのが森見登美彦『新釈 走れメロス 他四編』と『夜は短し歩けよ乙女』ですね。やっぱり両方読む人が多いのかしらん。

やはりほぼ同年代の元・京大生というところでつながってくるのか、何となく作風も似ていますよね。
そんな訳で、本屋さんとしても「こちらを読まれた方は、こちらもどうぞ」的な意味合いでセットにして置きやすいのでしょうか。
しかしデビューが遅かったのでまだ2作目の万城目学はともかく、森見登美彦はここ最近になって突然に多作作家になりましたよね。
あのテンションでの多作力には驚かされます……。

森見さんの2作も万城目さんの「鴨川ホルモー」も読みました!
今は、「鹿男あをによし」です。素朴で、熱血な皆様が素敵な古風な文体にのって、とってもエキサイティングな日々を送っていらっしゃいますね。
京都に行くとますます愛着が湧きます。登場人物の皆様とお友達になりたいです。

糺ノ森さん、お返事が遅くなってしまいまして申し訳ありません。
京都にお住まいなのでしょうか、自分の知っているところが舞台になると、書かれてある情景が目に浮かんできてとても楽しいですよね。
万城目学も森見登美彦も、何だか突然に大ブレークした感がありますね。
万城目学の3作目は、何かのインタビューで読んだのですが大阪になるのだとか。
三都を制したら、次はどこに行ってしまうのでしょう。
その行方も気になるところです。