開放された大手町ビルの屋上でお参り

テレビのドラマではよく、オフィスビルの屋上でお弁当を食べたり、バレーボールをやったりしています。
が......あれはウソですね。そんなことできませんって。
だいたいオフィスビルの屋上は厳重に施錠されていて、まず行くことなんてできないのですよ。
もし屋上に行けたとしても、お弁当を食べるだけならともかく、バレーボールなんかやろうものなら、お調子者の大バカ者が

「ウルトラ・スペシャル・スーパー・グレート・デラックス・ハイ・アタァァァァァッッッッック!」

などと、「リングにかけろ」のギャラクティカ・マグナム並みのバカアタックをかけ、ボールはそのままビルの外へ一直線に......。
うう、考えただけでも非常にデインジャラスな状況です。
これでは、オフィスビル側としても安易に屋上を開放するわけにはいきませんね。
ぼくらサラリーマン諸君にとっては、オフィスビルの屋上は夢の聖地であると同時に、決して踏み入れることのできないガンダーラのような幻なのです。

しかし、そんな幻のガンダーラ、夢の聖地であるオフィスビルの屋上が、年に1度だけ開放される日があるのです。
それが今日なのでした。
こんな日を逃さないでどうするかい、と早速屋上に行ってきました。
......と言っても、別にお弁当を食べに行った訳ではありません。
ましてや、バレーボールでギャラクティカ・マグナム並みの大バカアタックをするためでもありません。
大手町にある「大手町ビルヂング」(ビルヂングですよ、ビルヂング)の屋上には、観世音菩薩像が安置されており、年に1度ご供養を行い、この日には誰もがお参りできるようになっているのでした。

エレベータに乗り、最上階の9階に付くと案内板が設置されています。
最上階で降りると、屋上への案内板が設置されていたのでした
矢印に従い、階段を上っていくと......おお。そこはもうオフィスビルの屋上。
夢にまで見た不踏の聖地、オフィスビルの屋上ですよ!
しかしガードマン入るわ、若手社員が目を光らせているわと実に物々しいのです。
この様子ではバレーボールはおろか、お弁当ですら食べようとすると飛んできて怒られそうです。
物々しい雰囲気でとてもお弁当なんて食べていられないオフィスビル屋上

おそるおそる屋上に足を踏み出すと、立ち番の若手社員が「ご供養の方はそちらにどうぞ」と紅白の派手な幕の向こうに行くよう案内されます。
しかしこの紅白の幕!
今どき、福引き会場でもあまりお目にかかることのないこの派手な紅白の幕の向こうに観音さまはおわしましたのでござりますよ。
そして「観音さまのご供養」というからどんなものなのかと思ったら......
観音さまの供養って......お焼香かよっ!
お焼香!
狭い部屋のなかには花が壁一面に飾られてあり、その壁にくりぬかれた台に観音さまはいらっしゃいましたよ。
お焼香台の向こうには賽銭を置く台があり......うおう、お札もちらほら。
精一杯気持ちを込めて小銭を賽銭台に置き、たまたま居合わせた他の会社の方々に混じってお焼香。 「なむ~」。

「観音さまの部屋」を出ようとすると、出入口のところに受付台があり、お姉さんが「こちらをどうぞ」。
お供物までいただいてしまいました。
ちゃんとビルの大家さんである三菱地所の名前入りです。
こんなものまで頂いちゃって、いいのかしらん
なかは紅白まんじゅうで、白い方には普通のこしあん、紅い方には白のこしあんが入っているのでした。
今日の晩ご飯としておいしくいただきました。
ごちそうさまでございました。
丁寧に1つずつ紙でくるまれていました

またお供物とともに、この観音さまを設置した由来の説明も希望者に配られていたので、こちらもいただいてきました。
それによると、もともと大手町ビルヂングが竣工した昭和33年当時は、まだ戦後10年が過ぎたあたりということで丸の内も寂れていたらしいのです。
そこに3万3千坪という当時としては最大規模のビルヂングを造ることで、ビジネス街の復興の道を歩むとした当時の三菱地所社長の思いに、同郷の平櫛田中が同感して5年の歳月をかけ、昭和42年に完成させた観音さまであるとのこと。
その思いはなるほど、と思うのですがこの観音さま、普段は放ったらかしなのでしょうか。
せめて、いつでも誰でもお参りができるようにして、ついでにお弁当も周辺で食べられるようになったらなぁと思うのでした。
(バレーボールはしません ← 当たり前です)

しかし先ほどから、ぼくはずーっと「屋上」「屋上」と言い続けています。
が、実は厳密な意味でここは「屋上」ではなかったのでした。
屋上に足を踏み入れたときの物々しい写真をよくよく見てみると......
屋上の上にはさらに一部屋あるようなのです
出窓らしきものがあるのです!
エレベーターで最上階の9階まで上がり、そこから階段で上ったからここが屋上かと思いきや、さらに上にもフロアがあるようなのです。
もっと近寄ってみてみると......
出窓じゃない、高所ドアなのでした
出窓だと思ったのは、トマソンの一種「高所ドア」なのでした。
しかも、こので出窓もどきの高所ドアはこの並びだけでもいくつもあるのでした。
なぜにこんなところにトマソン物件が......。
そもそも、この出窓もどきのあるフロアはいったい何なのでしょうか。
そして、この窓(ドア?)がある部屋(フロア)にはどうしたら行けるのでしょうか?

ますます謎が謎を呼び、さらに秘境の地としての夢とロマンを感じさせるようになった大手町ビルング屋上なのでした。