毛皮族の番外公演だった「天国と地獄」

今日は演劇キック・プロデュース公演の「天国と地獄」を観に、新宿はシアターアプルに来ています。
演劇キック・プロデュース公演「天国と地獄」(シアターアプル)

プロデュース公演と言っても、作・演出が毛皮族主宰の江本純子で、出演している役者たちもほとんどが毛皮族のメンバーに毛皮族レギュラー客演の澤田育子嬢、柿丸美智恵姐さん。
これは立派な"毛皮族の番外公演"と言ってもいいぐらいでしょう。
ストーリーも相変わらずいい意味でも悪い意味でも「毛皮族らしい」のです。
いや、ちゃんとストーリーの骨格はオッフェンバックのオペレッタ「天国と地獄」なのですが、なぜか黒澤明の『天国と地獄』が出てくるわ、序幕は桐野夏生の『OUT』だわ......と、江本純子の思いつきで「アレも入れてやろう」「これも入れてやろう」の学園祭ノリの何でもあり。
もちろん!
毛皮族といえば、女優さんたちのニップレスもてんこ盛り。
もうそれだけでもお腹がいっぱいになってしまうのでした。

そして今回、見逃せられないのが田口トモロヲとコンドルズの小林顕作の怪優2人。
序幕と第1幕1場ではエモジュン節が満開でいつもの毛皮族っぽいウダウダ芝居だったのに対し、2場の天国シーンから登場した田口トモロヲとコンドルズ小林顕作はキッチリと「魅せる」芝居をしてくれます。
ところがトリックスター・江本純子がそれを許すはずもなく、かき回す、かき回す。
またそれに田口トモロヲが悪ノリしてしまい、もうどこまでネタでどこからアドリブなのか判らないほどになってしまいます。
「ちゃんとやろうよっ!」という小林顕作のツッコミも、かなり楽しそうで、そう言った意味でもこの怪優2人はキッチリと魅せてくれるのでした。
いつも江本純子のトリックスター振りを受け止める澤田嬢や柿丸姐さんの存在も、今回ばかりはこの2人の前には薄いほどだったのです。

考えてみたらナマで田口トモロヲを観るのは、ラジカル・ガジベリビンバシステムの最終公演を1989年に観て以来かも......ということは約20年振り?!
若いですね、容姿ともに全然変わっている気がしません。
なぜか意味もなくお尻を出して踊るシーンもあったのですが、そのお尻もキュッと引き締まっていて、しかもきれいなんです。そんなお尻でさえも、まったく歳を感じさせないのでした。
しかし、さすがに唄って踊って動き続ける毛皮族には付いていくのが精一杯らしく、途中で「中年イジメだ」とポロリ。
小林顕作は、やはり唄って踊って動き続けるコンドルズ所属だからか、テンション高く動き続けています。
が、そのコンドルズ小林顕作でさえもさすがにラスト、カーテンコール代わりに出演者全員で踊るフレンチ・カンカンでは身体がついていくので精一杯だったようで、もうヤケクソになって踊っていました。
それが観客のサディスト精神に火を付けたのか、アンコールに次ぐアンコール。5回ほどは踊ったでしょうか。
そのうち、カーテンが開くと......役者たち全員、ぶっ倒れています。
しかしさすがは毛皮族のメンバーたち。
こうしたカーテンコールに慣れているのか笑顔で起き上がり、すぐさまフレンチカンカンの体形に入ります。
一方小林顕作は拍手が止まらない観客に「鬼っー!」と絶叫していました。
今までメンバーだけの公演を観ている限りでは、そう感じさせられなかったのですが、やはり毛皮族はその動きが激しく体力的にかなりキツイと言うことがよく判るのでした。
また今回は澤田嬢もノドをやられていたらしく、声がかなり枯れて歌もセリフも、とにかく全般的に辛そうなのが気にかかるところです。
役者は身体が資本、どうか大事になさってください。
このチケットだけ観ると毛皮族の公演みたいな「天国と地獄」

今回は山手線が人身事故で止まってしまい、そのため開演を15分遅らせていました。
そう言えば、以前にも毛皮族の公演を観に行ったときにも、地震でやはり山手線が止まり開演時間を30分遅らせたことがありましたっけ。
うーん、ぼくが毛皮族を観に行くとロクなことがないのかしらん。
本当に皆さん、すみません。
終わってロビーに出てみると21時45分終了予定が、もうこんな時間になっていたのでした。
もう22時15分だよ!

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