POTALIVE 小竹向原編vol.1『界(さかい)』

ポタライブは昨年のFINAL以来、「こまばアゴラ劇場 冬のサミット2006」出品作品として、久々の本公演なのです。
チケット前売り方式ではなく、予約制ながらも予定していた公演ならびに追加公演も早々に完売となってしまいました。
ファンは皆、飢えているのです。

今回はそのうちの1つ、「小竹向原編」に行ってきました。
案内役は、いつものようにポタライブ主宰人の岸井大輔さんではなく、「ひょっとこ乱舞」の伊東沙保さんです。
「ひょっとこ乱舞」、それはぼくがずっと"ひょっとこの面をつけ、手ぬぐいを巻き、ハッピ姿の男衆が、舞台いっぱいに数十人出てきて、ただ「エライヤッチャ、エライヤッチャ」と踊っているだけ"と思っていた、あの恐ろしい劇団です。

その案内役に引き連れられた一行は、小竹向原の住宅街をあちらこちらと彷徨いながら、遠い遠い話の存在を聞くこととなります。
小竹向原駅周辺をまわりながら、遠い遠い話の存在が語られるのでした
しかし、その遠い遠い話に行き着くためには、まず、とある話を絡ませ、そしてさらにその話が新たな話を呼び、そしてさらに新たな話が語られ......と「作中作中作中作中作」と多重構造を織りなす複雑な展開となっているのでした。
「作中作」における、とある象徴
しかし観客はここで徐々に気がつくことになるのです。
案内人の語る"入れ子構造"となったストーリーは、そのまま小竹向原という町の歴史であることに。
つまり歴史は連続していきながらも、その途中途中を振り返ることで、まるで玉ネギのように"歴史"という名の薄皮一枚一枚が積み重なっているだけのことなのかもしれません。

そして、物語の深い深い階層に降りることによって、ようやく浮かび上がってくるメインの物語。
案内役は、その物語を語り出した瞬間にスイッチが切り替わります。言葉の魔力でしょうか、雰囲気が一変したのでした。
「作中作中作中作中作」がリアルになった瞬間、サブイボが立っちゃいました
それまで「作中作中作中作中作」だったはずの物語が、リアルな存在として我々観客の眼の前に浮かび上がってくるのでした。

そもそも、こうした多重構造となっている複雑なストーリーは、下手すれば観客が混乱してしまい収拾がつかなくなってしまう可能性もあるのですが、一切の小道具も演出もなく、"言葉だけ"で的確、適切にに描き出していくところは素晴らしかったのでした。

ここまで見事に物語の多重構造化を描き出し、観客をクラクラと惑わすことができるのであれば、今度は解体して欲しくなってくるのがへそ曲がりなぼく。
きちんと構築された物語の多重構造をメタに解体してしまい、物語のなかで構造が交差させると、さらに観客に酩酊感を植え込むことができたのではないかと思ってみたりもしたのでした。
(あ、でもそんなことをしてしまうと、結局はテーマが全然変わってしまってダメかも)

今回も、ポタライブらしくパフォーマーの方も出演されていますが、その数なんと4名。
それだけでもかなり贅沢な気分が味わえる公演なのでした。
今回のパフォーマー4名、やはり神出鬼没でドギモを抜かれました
ただ、かなり悔しかったのは、最初に登場していたパフォーマーにまったく気がついていなかったこと。
終了後に皆さんとお茶を頂いたのですが、そのときにあるパフォーマーの方から「最初に誰が登場したか気付かれました?」。
「え? あそこでしょう」と気付いた最初のシーンを言うと、「フフフ、実は......」。
もうね、店内中に響き渡るような大声で「ウッソォー!」と大絶叫してしまいましたよ。
ぜっんぜん気がつきませんでした。
というか、そんなところに人がいたことすら気がつきませんでした。
オレ、全然アカンやん。
悔しいので、もう一度参加したいです。......ただ、それだけのために。
(しかしもう全公演完売でさらに悔しさ倍増)

今回は、もともと週間天気予報で雨が降ると言っていたのですが、晴れ上がった空にそんな気配もなく、また寒くもなく暑くもない程よいお散歩日和で、お天気すらも味方につけた公演だったのでした。

しかし、なぜかいつもポタライブに参加するとネコに遭遇します。
今日も、民家の軒先の陽だまりでほっこりほこほこと日向ぼっこを幸せそうにしているネコを見かけたのでした。
舌、しまい忘れているよ......。
あまりの気持ちよさに、舌をしまい忘れて日向ぼっこしているネコ

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