内覧会では遅すぎる

エネーチケーから、謹呈本が送られてきました。
村上健『良質なマンションを手に入れる』(NHK出版)
村上健『良質なマンションを手に入れる』(NHK出版)です。

残念ながらぼく自身が何かしたわけではありません。
著者は、今の住処である「リアル書庫の部屋」を買うときにお世話になった方です。
その方が書かれたマンション購入に関するアドバイス本です。
ぼくは(というか、「リアル書庫の部屋」は)、そのなかの実例として登場しているので、謹呈本が贈られてきたのでした。
どうもありがとうございます。

この著者の方は、もともと建築設計監理の仕事をなさっていたそうです。
そちらをリタイアされてからは、これまでの知識を活かして、今はマンション購入者に対するアドバイザーをされています。
と言っても、別に起業されたわけではなく、完全にボランティアベースです。

通常、我々一般人がマンションを購入する場合、まず立ちふさがるのが「自社志向のデベロッパー」、そして「デベロッパー志向のゼネコン」なんですね。
この両社の間に我々、一般人が「顧客」として入り込む余地なんて、これっぽっちもありません。
だからおかしな点があっても「こんなものです」、こうして欲しいとお願いしても「これは仕様です」、挙句の果てには「皆さまには納得していただいています」。
いつもけんもほろろに要求は無視され、「そんなものかなあ」と何となく釈然としない思いを持ちつつも、何千万円という借金を一生背負っていかなければならなくなります。

そこで、そんな目にあわないためにも色々とネットで調べているうちに、たまたま個人で立ち上げられていたWebサイトに行き着き、ご相談の連絡を取ったのが最初のことでした。
早めにご相談したのが功を成し、その後はメールベースで何度も何度も何度も相談にのっていただき、そのたびに丁寧なお答えを頂いたものでした。
また、この方の持論は

「マンション検査としては、内覧会では遅すぎる。施工中の現場検査が必要」

というものです。
とにかくこの言葉に奮い立ちました。
一般的にマンション購入者が購入物件を見ることができるのは、内覧会が最初で最後です。
ところが、それではもう直すことが表面的にしかできません。
一生の借金を背負って買うものだからこそ、もっと工事中の早い時期に検査をすることが必要だということです。
しかしこの考え方は、おそらくデベロッパーやゼネコンには想定外だったのでしょう。
「マンション施工中の立ち会い検査」を要求したのですが、意外と難交渉になってしまったのでした。
しかしながら、この方のアドバイスをもとに、交渉に交渉を重ね、最後には何とか工事中のマンションに立ち入りをし、自分たちの部屋の施工状況を確認したのでした。
ベランダ側からガラス戸の立て付けをチェック
(そのときの様子)

この方には、この「施工中検査」のときに初めてお会いして同行していただいたのですが、料金はこうした同行などのときの実費のみ。
アドバイス料などはまったく請求されません。
しかもその料金と言うのも、交通費込みで一律2万円ということで、「いくらとられるのか」ともうドキドキ状態だった我々は本当にもう、頭が下がる思いでいっぱいなのでした。

さらに、その3ヵ月半後に行われた内覧会でも、舞い上がる我々を傍目に、しっかりと細かいところまであれこれチェック、4時間も掛かり、終わる頃には外はもうすっかり真っ暗になってしまっていたのでした。

そして今回、NHK出版の「生活人新書」シリーズの一環として出版された『良質なマンションを手に入れる』は、これまでにその方のお仕事を通じて、様々な実例が紹介されているのです。
今回、ぼくが登場(と言っても、一アルファベットですが)しているのは「マンション施工中現場検査篇」と「二重床が沈んできちゃったよ篇」。
特に「二重床が沈んできちゃったよ篇」は、以前にブログでぼくが書いたものを読まれて、改めて登場したエピソードです。

【その記事】
2006年5月4日:書庫の部屋、崩壊のはじまり
2006年5月14日:沈下本棚、決着

また、この方が依頼を受けたマンションアドバイスの様子や、内覧検査の模様は、ブログやメールマガジンで紹介されています。
「リアル書庫の部屋」の事例も、以前にメールマガジンでレポートとして紹介されていたのでした。
このブログやメルマガは、マンション購入を考えている方にとっても非常に役立つでしょうが、すぐに買う予定のない人にとっても「心構えとしての読み物」として面白いものだと思います。
それがこうして紙媒体となってさらに多くの読者の目に届くと言うことにあれば、きっと「自社志向のデベロッパー」「デベロッパー志向のゼネコン」の姿勢も変わってくる……のかもしれません。
マンションの購入を考えている、あるいはもう既に購入契約をしちゃったよ、という皆さんはぜひともご参考になさってください。
(ただ、もはや既に検査の予約が多くて毎日がお忙しいようですので、これ以上依頼が増えてしまうのも大変かもしれません……)

健さんのマンションアドバイス(ブログ版)
健さんのマンションアドバイス(メールマガジン版)

コメント

この本の企画構成を担当いたしました若木と申します。
この度はご協力くださりありがとうございました。
そして、とても良い紹介をしてくださり、重ねて御礼を申し上げます。
尚、アマゾン等では予約ができるようになったようです。

若木様、ご丁寧なコメントをどうもありがとうございます。
とても読みやすくて実用的なよい本をおつくりくださいまして、ありがとうございました。
(と、ぼくがお礼を言っているのも変ですが)

微力ながらお手伝いできたかと思うと、非常に誇らしい思いです。
こちらのご本でも紹介していただいたように施工点検できた者の立場としては、、ひとりでも多くのマンション購入予定者の方が、「内覧会では遅すぎる」ということで、アクションを起こすきっかけとなって欲しいと思います。

今回は本当にありがとうございました。

現場検査を希望していますが、まったく交渉がすすまず
こまっています。で、もうボード貼りがGW明けに始まるので
おそらく無理かも・・・。
もう疲れてしまいました。でも、もう少しがんばります。

こんばんは。
コメントをありがとうございました。

現場検査のタイミングとしては
  ・ コンクリート躯体打設完了・型枠解体完了
  ・ サッシュ取付完了
  ・ 設備配管施工中
  ・ 断熱施工完了
  ・ 二重床、天井・壁ボード貼着手前
と言われましたので、まさにGW前が絶好のチャンスですね。

現場検査ですが、ぼくも結構交渉に難儀しました。
「危険です」と言われたら、「事前に“ケガをしても貴社には一切責任がない”という誓約書を書きます」。
「前例がない」と言われたら、「前例がないのでしたら、前例にしてください。それとも何か都合の悪いことでもあるのですか?」。
「作業中に立ち入られると、遅れの原因になります」と言われたら、「昼休みがあるでしょう。1時間で結構です」。
そんな風に一個ずつ相手の言うことをつぶしていきました。

しかもボード貼りがGW後ということは、タイミング的にちょうどチャンスじゃないでしょうか。
「じゃあちょうど工事もお休みでしょうから、GW中に検査させてください」と言えますよ!
とにかく弱気にならないことです。
何しろ、こちらはこれから一生の借金を背負っていくのですからね、そんなふざけたこと言うデベロッパーには、こっちからおさらばしてやるぐらいの気持ちで当たった方がいいと思います。
あと、これは都市伝説のたぐいかもしれませんが、「うるさい客」だと思われた方が、部屋の仕上げをきちんとしてくれると言う話も聞いたことがあります。
幸いにして、ウチの場合は交渉で「うるさい客だ」と思われたのか、仕上げが非常にうまくできており、同行していただいた専門家の方にお墨付きをいただけるほどでした。
ぜひ、頑張って交渉して、「うるさい客だ」と思われるようになってください。
(何だか変な応援ですが)

個人的には、「“自分が納得するまで”とことん相手と交渉する」というスタンスが大事なのではないかと思っています。

ご丁寧なお返事ありがとうございます。
いろいろ伝えてはみているのですが、
「どんなに電話やメールをもらっても許可できない」と言われます。
交渉の余地なし、です。
おまけに「納得するかどうかはそちらの勝手」と言われます。
「(買主)は購入する権利を買っただけ」と言われたときには、
あちらの本心がよくわかったという感じです。
交渉がんばります。

こんにちは。
しかしかなりひどい対応ですね。言うことがとにかくひどすぎます。
「許可できない」ならまだしも、「購入する権利を買っただけ」って……もう、読みながらプンスカピーとなってしまいました。
デベロッパーとしての責任感がまったく足りていない会社ですね。
というか、お客さんをお客さんと思っていないその態度……。
そんなことを平気で思い、言うデベロッパーの物件なんて、出来上がりも非常に心配になってきました。

「メールや電話でいくら言っても」ということでしたら、「じゃあ直接来ました」と会社に乗り込んでやります。
その上でずっと居座り続けてやります(笑)。
終電が終わろうと、始発になろうと、納得がいくまで帰りません。
あとは契約書をよく読んで、何か不具合があれば契約解除できるかどうかですが。
(重要事項の説明を資格のある人が読まなかったとか……でもそんな凡ミスは犯さないでしょうしねえ)
あとはやはり専門家の知恵を借りるしかないでしょうか。

しかしこのままだと、内覧会でもとてつもなくひどいことになりそうな気がします。
そんなくだらないデベロッパーのために後悔をなさらないよう、最善をつくすことができるよう、専門家の方にご相談なさってみてはいかがでしょうか。

こちらでご紹介させていただいた村上健さんは、メールマガジンやブログでも「どのように交渉をしてもらったか」が非常に判りやすく書かれてありますので、参考になるかと思います。

コメントありがとうございます。
実は村上さんにお願いをしてあります。
でも、私がなかなか下手くそで、ダメなんですね。
なかはしさんほどの気合がないんでしょうね。
ひどいことを言われているけど、相手の気持ちもわかるし
強く出られません。次ぎは強く出ようとは思うのですが。
せめて内覧会だけは、条件を全部のんでもらわなければなりません。

おお、村上さんにお願いされていたのですね。
それは失礼しました。
ただし、ぼくも最初に村上さんから釘を刺されました。
あくまで村上さんはアドバイザーであり、主体は我々買主であるということです。
なので売主側の考えを変えさせるには、我々買主側も覚悟を決めてやらないといけないなと言うことですね。

> 相手の気持ちもわかるし

いえいえ、相手なんて別に屁とも思ってないですよ。
数千万円の借金を背負うのは我々買主側であって、別に今回の契約が失敗しても、担当者が数千万円の借金を背負うわけではありませんからね。
申し訳ない顔をしながら、きっと心の中では舌を出していることでしょう。
ちょっとでも弱気を見せたら、それこそつけいられますよ。
向こうは海千山千のデベロッパーです。
だからこそ、どーんと強気で行きましょう。

そんな訳で同じ買主側の立場として、応援しています。
村上さんにもどうぞよろしくお伝えください。

なかはしさま
 コメントありがとうございます。
 社長あてに要望書を提出しましたが、ダメでした。
 せめて社員の不誠実な態度については、
 反省の気持ちがほしかったのですが皆無だったみたいで、
 代理店から現場検査には対応しない旨連絡がありました。
 
要望書を書く際には、村上さんの本を参考にしました。

半年後に、どんな生活をしているのか、不安です。

こんばんは。
GWも終わって、状況はどうなっていらっしゃるのかなあと気になっていたところでした。
しかしひどいですね。しかも対応は代理店ですか。
直接売主に言ってみたら……と思ったのですが、きっと直接売主は彼らの十八番、「代理店に任せている」と言うのでしょうねえ。
新生活に向けて、一番楽しみなこの時期なのに不安にさせてしまうとは、ホント、会社としての倫理観がまったくない、今時信じられない会社ですね。

交渉には、会社に乗り込んで言ってもダメでしたか?
一般的に「紳士的な」会社でしたら、要望書もいいでしょうが、相手の化けの皮もはがれているようなそんな会社、絶対に文書なんてダメですよ。
読みはしません。適当に返事書いて、ハイ終わり。
(目に見えるようです)
ぼくも交渉のため、何度かもう既に閉鎖されて残務処理しているモデルルームや、その後は会社に行って交渉してきました。
うちの場合は「紳士的な」会社だったからそれだけで済んだのですが、今回のようにそこまでひどい会社だと言質を取るためにテープレコーダーを持参していきますね。

テープレコーダーを、目の前に置くだけで、相手にかなりのプレッシャーを与えますよ(笑)。

とにかくイヤな相手にはイヤな客になりきるしかないですね。
イヤな戦法ですが。
ご自身だけではなく、ご家族のためでもあるのです。
徹底的にイヤなヤツになりきって、頑張って戦い抜いてください。