POTALIVE 駒場編vol.2『LOBBY』、全制覇ならず

今日は井の頭線に乗って、駒場東大前に来てしまいました。
うははは、これでぼくも東大生だ!......などということもなく、その反対側にあるアゴラ劇場にやって来たのでした。
ちゃんとやって来たのは今日が初めての駒場アゴラ劇場
ここの1階ロビーにおいて、2日間だけの日程で"ひっそりと"ポタライブが開催されているのです。
作品は、5人の作者による5本の作品。
どれも30分から長くても45分程度の短いものばかりです。
いわば、「オムニバス形式のポタライブ」とでも言えばしっくりくるかもしれません。
しかしながら、これら作品たちは、特に開演スケジュールが定められている訳ではないのです。

まず、このアゴラ劇場にあるロビーに行くと、受付にメニューが用意されてあり、"案内人"である主宰者が「どれをご覧になられますか?」と訊ねてきます。
もちろん"案内人"ですから、内容に関して質問すると、見所やお勧めなどしっかり答えていただけます。
それによって、自分の観たい作品をリクエストし、作品の開幕......となるのです。
受付で自分の観たい作品をリクエストします
お値段は、1本800円。2本目からは500円......って、安っ! 安すぎますよ。
全部見ても2800円なんですから。
行くまでは「よっしゃ、完全コンプリート、全作品制覇してやるぜっ!」と意気込んでいたものの......ありゃりゃりゃ。
意外と開催時間がうまく組み合わず、残念ながら「あと1本」というところでタイムオーバーになってしまいました。
いや、本当はラスト1本も参加できるはずだったのですが、ちょうどその直前にあった別件(というか、今回アゴラ劇場に来た本来の目的はこちらの方だったのですが......)が押してしまい、ロビーに戻れたのが、ちょうどそのラストが始まってしまった直後だったのです。
あと1分、いや数十秒戻ってくるのが早かったら......トホホ。
そんな訳で、今回用意された5本をハイライトでご紹介します。

1.『ともだち』(昼・デュエットバージョン 夜・ソロバージョン)
【作・演出・振付】垣内友香里
【出演】柴山美保(デュエットバージョンのみ)
駒場の"とある大きな場所"を使って、走って、跳ねて、いじけて、元気を出して、去って行く。
言葉はない、動作だけのコミュニケーション。
踊っているダンサーも作品であり、またその作品を見ている我々自身も、その大きな場所にいる人々からすると作品の一部になっているという、メタ構造を意識させる不思議な作品でした。
そもそも、街なかを案内人に連れられて歩いているポタライブ自体が、やはり我々も含めて作品になるというメタ構造を秘めているのですが。
なお、昼はデュエットバージョン、夜はソロバージョンということですが、基本的に振りは同じだそうです。
しかしながら、ロビーでの"ご案内"では、「かなり印象が違う」ということで、そういう意味では2作品になるということでしょうか。
残念ながら、時間の関係上、ソロバージョンでしか観ることができませんでした。
クルクルと目まぐるしく走るダンサー、それを観るぼくたち、そしてそれらを見つめる多くの目

2.『ぼくがゲームを作らないと世界は滅びてしまうから』
【作・演出・案内】米光一成
ゲームを全然やらないぼくは知らなかったのですが、「ぷよぷよ」などを手がけたゲームデザイナーで、しかも『日本文学ふいんき語り』もこの方だったのですね!
うひゃおぅ、失礼しました。
作品コンセプトは、「現実世界におけるルール付けを、ゲーム世界におけるルール付けと結びつけて感じとる」。といったところでしょうか。
しかしながら、そもそもゲームにおけるルールが嫌い(だってそんなルールがあるからゲームができないんだもん)なぼくにとってもはちょっと苦手なテーマでした。
ぼくだったら、すぐにリセットしちゃうよ。
だから、現実世界では苦手なモノからは徹底的に「逃げ」に走っちゃうタイプなんですね。
最後には、おまけのミニ写真のプレゼントがありましたよ。
現実世界における「ルール」の看板を撮り集めたもので、劇場に戻るまでに見つけられるかな?というものでした。
公園の中におけるルールを見つけ、ゲーム中のルールとを結び付けて考えてみる

3.『燈-ともしびー』
【作・演出・案内】村井美樹
【出演】垣内友香里
最初は駒場の街の歴史を目でみて、足で感じて、そうして体感していくはずだったお散歩は、いつしか"とある事件"を題材としたものになっていきます。
そして浮かび上がる1人の人間の存在。
見ず知らずであるはずのその人物は、案内人によって語られる物語によって急速に現実感を帯びてきます。
そしてその人物の息遣いが感じられるほどに我々の近くに現れ、そしてゆっくりと目の前を通り過ぎていくラストには、あまりの切なさに涙が出てしまうほどでした(うまく誤魔化したつもりですが)。
これはいちばんの傑作かもしれません。
もし今回の作品中で「どれか1本しか観られない」と言われたら、この作品を選びます。
物語が佳境を迎えるのはこのあたりから

4.『リニア』
【作・演出・案内】笠木真人
出たーっ! 今回の......とういか、ポタライブ史上でもおそらく例のないオキテ破りの問題作が登場しましたよ!
これほどまでに"観客を突き放した"作品は観たことありません。
その突き放し方に、もうどうなることやらとドキドキしてしまいましたが、慣れてくると結構楽しいものです。
思うに、多人数よりも数人の少人数の方が一致団結力も増して、より面白いかもしれませんね。
そして物語の進行途中では、ちゃぶ台をひっくり返すどんでん返しが待ち構えています。
この驚きの展開により、いわば"ミステリ仕立てな作品"に仕上がっていると言っても過言ではないでしょう。
推理小説(それもとびっきりの本格推理小説)を読むのが好きな人にはたまりません。
ぜひぜひ一人でも多くの方にこの作品に参加してもらって、「アッ」と驚くことを共有したいものです。
しかし残念なことはただ一点。
この"大仕掛け"は、1回ポッキリの大技なんですね。
なので2回目の参加ではもう1回目ほど楽しめなくなってしまいます。
そのあたりも推理小説と似ているのかもしれません。
転がるボールを追いかけて......

あと一歩およばず、見損ねてしまったのは次の作品でした。
(ご紹介はポタライブの公式サイトよりパクッてしまいました ← 堂々と書くなよ)

5.『松姫立春』
【作・演出・案内】愛川武博
【出演】村井美樹
南の島、奄美大島出身の演出家で俳優の愛川は、人のエネルギーの集まる場所が好きで、あちこちで演劇をし、森を探してきました。
駒場で森を探す40分の演劇作品です。

うぉっぉぉ! メッチャ気になるメッチャ気になる、メチャクチャ気になりますー!
いや、本当は明日もやっているんだけど、溜まっている家の諸々の用事をを片付けなければならず......くぅぅ、返す返すも残念なのです。

コメント

リニアでご一緒した者です。ご一緒できてとても楽しかったです。
私も松姫立春だけ見逃してしまいました。ともしびの村井美樹さんが出演側…。
出演者がかぶるときっと立体感が増しますよね。あの時は満足して帰ったのですが、今思い返すとすごく残念です。あぁ、失敗した…。
また行くのでお会いすることがあるかもしれませんね。そのときはまたよろしくお願いいたします。

奥海さん、こんばんは。
「リニア」はとても面白かったですね。
あの、最初の「客放り投げ」でどうなることかとハラハラドキドキし、そして中盤以降でのどんでん返し。
あの驚きは、ポタライブの王道でもあると思います。
でも、やっぱり“王道”といえば村井さんの「灯」ですね。
村井さんのあの語り口と物語、そして街と出演者が融合して向かえる切ないラストシーン、あれは本当にやばかったです。
明るいうちに観たのですが、夕方や夜になると、また印象は代わるのでしょうか……。
その村井さんが出演されている「松姫立春」は、確かに気になって仕方がありません。
かくなるうえは、再演をしてもらえるよう祈っておきましょう……。

ポタライブは、ぼくも引き続き3月の本公演は「小竹向原編」「駒場編」とも行く予定です。
こちらこそ、また見かけたら気軽に「3歩ジャンプ!」と声をかけてやってくださいね(笑)。
ではではこれからもよろしくお願いします。
(こうした観客同士で連帯感が生まれるのも、ポタライブならではのものだと思います)