病魔に侵されたビニール傘

いつからか、気がつくとそこに傘があったのです。
突然の雨降りに、コンビニやキオスクで気軽に買える安モノのビニール傘です。
誰かの忘れ物でしょうか。
それにしては、道の真ん中ですよ。
だとすると、急な雨降りで傘を買ったものの、突然に止んでしまったので「もういらないや」と捨てられてしまったのかもしれません。
いずれにせよ、その傘はそこにあることに気がついたときには、既に異形のビニール傘となっていたのでした。
どうも深刻な病気に侵されているようなのです。
人間で言えば内臓疾患系でしょうか、下腹部がパンパンに膨れ上がってしまっています。
かなり深刻なダメージを負っているように見えます。
パンパンに膨れ上がった下腹部なんて、壊疽まで起こしてしまっているのか、何やら汚らしい茶色(関西弁で言うと、ババ色)に変色してしまっているのです。

ああ、誰がいったいこんな病気の傘を道端に放置して行ったのでしょうか。
気のせいか、このビニ傘の下腹部は毎日ちょっとずつ、ちょっとずつ、膨れ上がってきているようなのです。
このままだと、ある日突然に「パァァァーンッ!」という音とともにパンパンに膨れ上がった患部が内圧に耐え切れず破裂し、そこら中に患部の中身の液体をぶちまける危険性もあるのですよ。
この傘の前を通るときは、気をつけなければなりません。
病気持ちのビニール傘