こんな身近にピタゴラスイッチ(あるいは時計仕掛けのメッセージ)

駅の改札を出たところでスタンバイされていましたよ、ザ・置き傘。
鮮やかなぐらいに乱雑で、「ここは傘捨て場か!」と戦慄してしまうほどの統一感のない傘たちは、今日も使ってくれる人を待っているのです。
しかし、本当にこれ、使ってもいいのでしょうか。
傘のすき間から、何やらチラチラと見え隠れするメッセージが気になるのです。
乱雑な傘置き場に、何らかのメッセージがあることは判るのです
いったい、これは、何?!
ひょっとすると、小さな字で「傘30分1,000円、1日30,000円」などと書かれているのかもしれません。
高い高い置き傘、新手の悪徳商法かもしれません。
しかもそれでなくても30分1,000円と暴利をむさぼっているのに、丸1日借りたら余計に高くなるという矛盾つき。
この隠されたメッセージに気がつかず、手に取ってしまったら最後、「ニイチャン、前金で30,000円頂いとくで」とコワイお兄さんが物陰から登場するに違いありません。
うわーん、ブルブルブルブルブルブルブルブル……。
恐ろしさのあまり、想像だけで失禁して失神しそうになっているのです。

しかしここは駅の改札前、こんな人通りの多いところで失禁して失神している場合ではないのです。
そんな訳で(どんな訳なんだか)、暴利をむさぼるメッセージの存在を暴いてみせてやることにしました。
メダカの学校を覗き込むように、そっと上から覗いて見てみました。
何かのメッセージを上から覗いてみる

おねがい
この傘は、共用しますので
使用後は、お返し下さい

す、す、す、すみませんでした。 やっぱりこの傘は、ちゃんと駅の置き傘だったのでした。

しかし、判らないのはどうしてこんな見えにくいところにメッセージを掲げてあるのかと言うことです。
ひょっとすると……「傘がなくなってきた頃に見える」ように、わざと設置してあるのかもしれません。
つまり、皆が傘を使っていくにつれ、ドンドンと傘はなくなってきます。
しかも誰も傘を返しに来なくなったら、見えてくるようになっているのですね。

おねがい
この傘は、共用しますので
使用後は、お返し下さい

普段は隠れて見えないからこそ、姿を現して初めてその存在を知らしめる、そんな装置だったのでした。

これって、とてもナイスな“ピタゴラスイッチ”じゃないですか!
しかも動力源はゼロ、「傘を返さない」という人の悪意が積み重なることによって初めて作動するという、見事なぐらいにステキなピタゴラスイッチなのでした。

しかし、そのピタゴラスイッチのメッセージの隣に潜んでいるのが、さらに気になるメッセージ。
これまた傘の向こうに隠れています
これまた傘の向こうに隠れていますが、簡単にその姿は現れます。
きっとピタゴラスイッチの存在にあわせて、設置する高さを揃えられたのでしょう。
しかし何でしょうか、このメッセージは。
血管がブチ切れそうなぐらいに怒っているようです

俄雨!!
御自由に!
だが何時かは!
必ず返して!!

もうね、頭の血管をブチ切らしながら筆をほとばしらせているオジイサンの姿が目に浮かぶようです。
というか、この「!」の多さは何?
最後の「必ず返して!!」だけならまだ判るのですが、冒頭の「俄雨!!」から始まってますからね。
そもそも、この「俄雨」は何と読むのか、しばらく悩んでしまいました。
わがまま?
そうか、傘を返さないわがままな輩を叱り飛ばそうとしているんだな……って、それでは次の「御自由に!」が繋がりません。
「わがまま!! ご自由に!」って、全然叱ってないやん。というか、むしろ推奨してるし。
そもそも、“わがまま”は「我侭」と書くのでした。
……うーんと、うーんと、と考えること数分、そうです! これは「にわかあめ」なんですね!
だから「にわか雨!! 御自由に!」と繋がるのです。
しかし、相変わらずこの全体の文章からヒシヒシと伝わってくる怒りのパワーの原因がよく判りません。
ひょっとしてこの人、傘を返さないヒトにも怒っているけど、にわか雨そのものにも怒りを感じているのではないでしょうか。
そんな理不尽な……。

コメント

だが何時かは!必ず返して!!

このフレーズもいいなぁ。ステキだなぁ。
突然ものすごいお願い(でもまだちょっと怒ってる)腰になってますけど、すぐに!でもなく、返せ!でもなく、やっぱり地のやさしさ滲み出ちゃっタ、的な文章に仕上がってますよね。。

丁寧だけど怒ってる・・・とってもやさしいのに怒ってる・・・
とりあえず竹中直人にこのフレーズを言ってほしい(笑)

確かに言われていると、メチャクチャ怒っているのに「何時かは!」って急に腰が引けていますね。
ひょっとすると、この方はジャイアンのような二重人格性なのかもしれません。
(テレビでは粗暴なくせに、映画になると突然に別人のように友情に目覚めるとか……)

しかし竹中直人と言えばやっぱりアレでしょう、「笑いながら怒る人」。
とすると、このメッセージは逆なんですね……残念。
(何が残念なんだか)