トリッキーな『幻影城の時代』 に危うく騙されるところでした

そんな訳で『幻影城の時代』を捜し求めて、街から街へとさ迷う人生です。
とうとう渋谷までやってきました。
センター街を通り抜けてブックファーストに向かおうとしているのですが……なんじゃこりゃあ!
なんだかいつもより歩きにくいのです。それもそのはず、人、多すぎ。
前を見ても、後ろを見ても、横を見ても、どこを見ても人、人、人……。
センター街の道路が、人の頭で埋め尽くされています。
この上なら簡単に歩いていけそうなぐらいの密度で、人の頭がセンター街の道路に生え揃っているんですよ。
(まあ、そう言うぼくも、その“生え揃っている頭”のひとつに過ぎないのですが)

ようやく到着したブックファースト、2階のミステリコーナーに向かうと……ありました!
あれほど夢見た『幻影城の時代』が平台に山積みとなっています。
平台に積み上げられている『幻影城の時代』

「いやっほぅー、ろろれいひー♪」と妙なヨーデルを奏でながら(心のなかで)、その山積みの1冊を手に取ったのですが……あれ?
表紙に「回顧編」と書かれた本の下から、今度は「資料編」なんて出てきたではありませんか。
「回顧編」の下から「資料編」なんてものまで出てきてしまいましたよ
うーん、仕方ありません。
1冊確か1500円だったはずなので、2冊で3000円とは完全に予算オーバーです。
店中では恥ずかしくて確認していませんが、ひょっとすると財布にお金が入っていないかもしれません。
(ぼくの財布は最大1万円までしか入らないようにできています……というか、ぼくの“心”がそのようにできている、と言った方がいいですね)
でも、こうなったら毒を食らわば皿まで清水の舞台から飛び降りるまでです!(←言っていることがよく判らない)
お金が足りなくなってカードがあるさ!と自らを奮い起こして、2冊とも手に持って、レジに向かおうとしたそのときでした。
「……あれ?」。
下にあった「資料編」を手に持った瞬間に、どこかで見たようなものがチラッと見えたのです。
よくよく「資料編」を見てみると、おおう、おおう、おおう、おおう、おおう!
なんとこれ1冊で「回顧編」と「資料編」を兼ねていたのでした。
つまり、表表紙も裏表紙もこの本にはないのですね。
表も裏もなく両側とも表紙と、トリッキーな造作の『幻影城の時代』
CDで言うマキシシングル、昔で言う「両A面シングル」みたいなものですね……って、古っ!
その「マキシシングル」が、何の意味でか、平台にランダムで積み上げられていたのでした。
これはひょっとすると、ぼくのようなうっかり野郎を引っ掛けて、あわよくば売り上げを2倍にしてやろうという店側のイヤラシイ魂胆なのかもしれません! おのれ!
……などと、自分のうっかり八兵衛ぶりを棚に上げて逆恨みしてしまったのですが、レジに持っていくと、レジのお兄さんも

「……あれ? この本、こうなっていますけれど、よろしいですか」

レジのお兄さんも、きっと落丁本だと思ったのですね。
客はおろか、本屋さんの店員でさえもクラクラと惑わすこの魅力、それがやはり「幻影城」なのでしょうか。

コメント

うっかりしてましたが、『幻影城の時代』って同人誌だったんですね。
まだどこかに残ってるかなぁ・・

朝日新聞の夕刊にも取り上げられていたので、ビックリしました。
入手は版元に直接訊ねるのが確実では……と思って見てみたら、ワオ。
完売ですか。
ついこの間まで「おまけ付き」として販売していたと思ったのですが……スゴイですね。
あとはこの人気で増刷を待つぐらいでしょうか。
商業誌としてでも十分に通用する内容なので、どこかの出版社から……とか思ったりするのですが。