きっと薄味なゴルフクラブ

すごい雨降りです。
会社から駅まで歩いたわずか10分も懸からない距離で、もう靴の中はグジュグジュ。
いっそ裸足で歩いて帰ってきた方がすがすがしく気持ちよかったのかもしれません。

そんな雨降りの話題とは全然関係なく、こんなゴルフショップがあったのです。
その名も「アメリカン倶楽部」。
アメリカンな感じを醸し出している「アメリカン倶楽部」……ん? だったら“クラブ”でいいやん
クリスマスツリーを飾り付けたり、外国人のオッサンのポスターに貼り付けたりと、もう「アメリカーン」な感じが全開のアメリカン倶楽部なのです。
きっと“倶楽部”は“クラブ”を意味しながらも、ゴルフクラブの“クラブ”に掛けているのでしょう。
そのウィットとユーモアに富んだ洒脱なショップのネーミングに「ナイスショット。」(← 棒読みチックに)。
「アメリカン倶楽部」、その名を直訳すると「アメリカ製のゴルフクラブ」。
そうなるんです。

が、しかし。 その隣にはこんな表示が張り出されてあったのでした!

全品日本製、しかも工場直売って……
全品日本製 工場直売

……なんと、アメリカ製ではなかったのです。
こんなことを表示してしまったがために、「アメリカン倶楽部」=「アメリカのゴルフ倶楽部」=「アメリカ製のゴルフクラブ」というウィットとユーモアに富んだ洒脱なショップのネーミングセンスが、音を立てて崩壊していったのです。
では、何ゆえの「アメリカン倶楽部」なのか……。
このままではポスターの外国人のオッサンも「オオウ、ジーザスッ!」と怒ってしまうに違いありません。
そこでぼくが代わって辞書で調べてみました。

アメリカン【American】
アメリカンコーヒーのこと。

アメリカン‐コーヒー
《和American+coffee》浅く、炒(い)った豆で薄く入れたコーヒー。アメリカン。

これだ!
これに違いないのです。
つまり、クリスマスツリーや外国人のオッサンのポスターまで張り出しておいて、この店で扱っているものは舶来品、「アメリカ製のクラブ」と思わせておいて、その実、全品日本製の薄味なゴルフクラブだったという、島田荘司もビックリの壮大かつ大仕掛けなトリックだったのです!

しかし、店員の誰かがさすがに良心の呵責に耐えきれなくなったのでしょう。
ある夜、残業をしたついでにこっそりと店長に見つからないように、わざわざ「全品日本製 工場直売」などと表示してしまったのです。
そのため、「アメリカ製」と見せかけておいて「薄味のゴルフクラブだった」というトリックが、すべて白日のもとにさらされてしまったのでした。
こうしてまたひとつ、「完全犯罪」という名のゲームは、身内からのボロという思いがけない結末で幕を下ろしてしまったのでした。

コメント

アメリカン倶楽部のお店の由来はアメリカの様に安い価格でファミリーでゴルフを楽しめるようにとの事です。日本はクラブが高いですからシャフトやヘッドはほとんどどこも変わらないです。ブランドと言うネームバリューがあり高くても安心感で買う方が多い日本なんです^^

なるほど、お店の名前にはそんな由来があったのですか。
確かに、アメリカではコースをまわるのも安かったですね(1度だけ経験あったりします)。
そもそも日本では、ゴルフ自体お金持ちの趣味という印象があるのですが、コースだけではなく、こうした道具一式揃えるのにもかなりお金が掛かるからなんでしょうね。