このPOPを書いたのは江戸川乱歩?

丸の内オアゾ内にある丸善に、こんなコーナーができていたのでした。
ポスター額装に本の山積みにPOPのベタ張り......破格の扱いです
"世界初の糖尿病小説!?"というキャッチコピーの入った『シュガーな俺』という小説の販促コーナーらしいのですが、小振りながらも破格の扱いです。
額装されたポスターに、トリッキーに山積みされた本、そしてPOPが「これでもかっ!」とベタベタ張り出されています。
「ん、もう、また本屋さんの店員がこんなに書いたのだろうなあ......」と思いながらも、よくよくPOPを見てみると、1枚1枚字体が違うのです。
そう、これはどうやら読者が書いたPOPのようなのです。
例えばこんな感じです。
病気の恐ろしさをちょっとだけ理解した人
「身につまされた!」 と一行目から言い放つところなど、糖尿病の怖さを理解したように思えるのですが、最後に「でもやめられない...。」と書いているところに、やっぱり"病気より楽しみの法がいいもん"という思いが伝わり、リアリティを感じさせるのです。
しかもこれは、筆ペンなのでしょうか。わざわざ使いづらい筆ペンでPOPを書くあたり、タダ者ではないようです。

今度は若者ですね。
若者の率直な意見
やはり若者らしく、まっすぐストレートに病気の恐ろしさにビビッています。
特に「マジでビビッた!」と太字で書くあたりに率直さがにじみ出ていますね。
そしてこの字の勢い。やはりこれはエネルギーがありあまる20代前半男子の書くものでしょう。

今度も個性的な字の持ち主です。
本はあまり読んでいなくても、どこか個性を感じさせる人
"本をあまり読まない"人とのことですが、"スムーズ"の字体の伸びの辺りなど、本当にスムーズな感じがにじみ出ていて、かなり個性的な人ではないかと見受けられるPOPなのでした。
しかしながら、さすがに"本をあまり読まない"と豪語するだけあって、句点を最後にだけ持ってきてしまいました。
なので、「スムーズに読めてしまった。驚きです。」ではなく、「スムーズに読めてしまった驚きです。」などと、まるでミスターマリックの超魔術を見てしまった感想のようになってしまっているあたりが、リアリティあるのです。
要はどんな人でも面白く読めるよ、ということを表したいのでしょう。

個性的といえば、こんな人もいました。
ある意味、楳図かずおの
これこれ、これですよ。いったいなんという字体なのでしょうか。
まさに楳図かずおで薄幸の美少女が恐怖のあまりに発する"ギャ~"という叫び声にも通じるおぞましさすら漂ってくるのですよ。
しかも「スゴク引き込まれる」「面白い!」とあるのですが、肝心の「どう引き込まれて」「何が面白かったのか」さっぱり判りません。
まあ、これもある意味リアリティあるPOPなのでしょう。

そしてここから段々とPOPが変になってきます。
これらがすべて同一の字体だったら、「ははーん、店員さん、書くことなくなってきたな」と思うのですが、うーん、字体は全部違うので本当にこんなことしか書く人がいなかったのでしょう。
もっと他に書きようはなかったんかい!とツッコミたい
「面白い」って......それだけ?
いや、もっと他に書きようがあるでしょう。夏休みの宿題で、読書感想文をこんな風に書いて出したら、センセイに怒られてしまいますよ。
困ったときはあらすじ書いて誤魔化しましょう。
(↑ぼくが夏休みの宿題で身に付けた唯一のテクニック)

あと、これなんて、どう言えばいいのやら。
もはや販促POPにすらなりえません
「タイトル変」って......。
しかも「(笑)」って......。
もはや感想でもなく、また販促POPですらありえませんねー。
だって「(笑)」ですよ、「(笑)」。居酒屋さんじゃないんだから(←それは「笑笑」)。
「タイトル変(笑)」って、もはやこの小説の存在域義を真っ向から否定しています。
これでタイトルが変というのだったら、笙野頼子とか絲山秋子の作品なんてどうなるの?

とか何とか言っているうちに、ついに最強の起爆剤が現れました。
病気の怖さを判ってないばかりか、道連れにしようと誘い込む奴
こ、こ、こ、こらー! 「シュガーフレンド大募集中!」なんて、勝手に募集するな。
というか、他人を勝手に病気の道連れにするんじゃありません。
こんな募集されちゃったら、最初のPOPで「身につまされます」って書いた人の立場がないじゃないですか。
......ん? そうか!
この最初のPOPを書いた人は「お酒は怖い」「でもやめられない...。」と言っているので、立派なシュガーフレンドじゃないですか!
いやー、よかった、よかった。わっはっはっは。

なんて笑っていると、最後の最後にメガトン級のPOPを投下されたのですよ。
これですよ、これ。どうですか、このPOP。

20061118-009.jpg
"だるまさん"って......ひぃぃぃぃっ!

父の病室にいた"だるまさん"......。
両手両足を切断されて、ベッドの上で左右の動きしかできない......。
「まさにダルマさんであった」なんてむずびはもう、

江戸川乱歩の世界ですよ。

このPOPを書いた人こそ、タダ者ではないとお見受けしたのでした。
ダルマさん......夢に見そうです。

コメント

でもなぜか、若い女性の字体にみえてしまいました。
むむー

う……そう言われてみれば、何となく女性っぽい字のような気がする。
特に「生活改善します」なんて言葉、野郎だったら出ないかもしれません。
どうなんでしょう。

生活改善・・・のは男の子っぽいのですが、
江戸川乱歩のほうは、女性っぽいです。
でも顔と筆跡って必ずしも一致しませんよね(*_*;

あれれ?
若さに溢れているPOPが女性なのかと思ってました……。
江戸川乱歩の方はすっかり“ワシ”に騙されています。
あるいは。
田中ワシさんとかいう名前の女性だったとか、家で飼っている鷲がメタボリックだったとか、そんな叙述トリックだったのかもしれません(笑……って誤魔化す)。

うーん。。
何となく、筆跡の特徴でそんなふうに思いましたが
似てる、というだけで(*_*;
関係ないですが、ほんの題字が、「ちば」ロゴと
テイスト似ている?

おお! 確かに本のタイトルが各所で話題沸騰のロゴ、「ちば」に似ていますね。
ひょっとすると、これは「ちば」のロゴを発表しただけではなくって、県がフォントも売り出したのかもしれません。(いい稼ぎになるかも)