『ランボー全集』に悩み、『ブラバン』に気合い

いつも行かない本屋さんでは、素敵な出会いが一杯です。
今日だって、ホラ、見慣れない棚にはデーンと『ランボー全集』なんてあるのです。
存在感も価格もベラボーな『ランボー全集』
ランボーですよ、ランボー。カウンタックとは違うのです(それはランボルギーニ)。
帯に書かれた惹句が、またこの本の価値を高めているといっても過言ではないでしょう。

新しく拓かれるランボーの全体像

これは大変です。
『ランボー全集』ですよ、『ランボー全集』。
しかも、これ1つで「新しく拓かれるランボーの全体像」というのですから、ちょっとやそっとの全集であるはずがありません。

9.11以降、いまや時代は“テロリズムへの怒り”。
そんな怒りのU・S・Aが必要としている勇者、それがランボーなのですね!
こんな時代だからこそ、輝いて見える「ランボー」シリーズ。
この全集はきっと、アメリカ批判がテーマだったはずの「ランボー」を外さず、しかし徐々に“アメリカ万歳”色が強くなっていく「ランボー2 怒りの脱出」、そして「ランボー3 怒りのアフガン」までがもれなくセットされたおトクパックなのでしょう。
最初の公開から約4半世紀、シリーズ最後の作品からも、既に20年近く経っているというのに、今度は主役であるシルベスター・スタローン自身が監督をやるという意気込みさえ感じさせられるハリウッド・テイスト。
それが「ランボー」なのです。
タイトルも、「怒りの脱出」「怒りのアフガン」と続いているので、そろそろ怒りが爆発してもいい頃です。
そんな訳で次作のタイトルは「怒髪のアルカイダ」でしょうか。
いや、「怒号のイラク」とも考えられますし、意表をついて「憤怒の北朝鮮」の可能性だってぬぐいきれません。
きっとこの“全集”には、そんな“怒涛の”新シリーズの予告篇も収められているかもしれないのです。
……が、しかし。
本体価格12,000円(税抜)はさすがに高いのですよ、高い。メチャ高。

しかしこんな時代だからこそ、おトクなパックで『ランボー全集』を手に入れなければならないのかもしれません。
「買っちゃおうかな……、どうしようかな……」と悩んでいたときのことでした。
突然、隣にいたサラリーマンが「よし、買っちゃおっ!」と独り言をつぶやくのが聞こえたのです。
本屋さんで、「よし、買っちゃおっ!」なんて独り言ですよ。
聞いたことありません……というか、そこまで気合いを入れないと買えない本なんてあるのでしょうか。
(ぼくが迷っている『ランボー全集』は別にして)

そんな訳で、そのサラリーマンが「よし、買っちゃおっ!」と気合い一発いれて手に取った本が気になったので、適当な本を手にとって、レジまで後をつけてみました。
ぼくの前に並ぶサラリーマン。
「いらっしゃいませ」と言われ、お店のお姉さんに差し出したその本は……

津原泰水『ブラバン』。

し、し、し、知らなかった……。
あの本は、そんなに気合いを入れないと買えない本だったのですか。
うわ、どうしよう、ぼく、普通の顔して買っちゃってたよ。
きっとお店のお姉さんに「いやあねえ、あのヒト。平気な顔して『ブラバン』買っていってたわよ」とか言われていたに違いありません。
ひぇぇぇ、ハズカシイよう……。

結局、『ブラバン』を買うのに気合いを入れたサラリーマンのために、『ランボー全集』は買い損ねてしまったのでした。

コメント

何か勘違いされてるかもしれませんが
ランボーとはフランスの思想文学者もしくは
詩人のことですよ。
ウケ狙いだったら要らぬ指摘でしたが・・・

おっちょこちょいさん、初めまして。
コメントをありがとうございます。

そうでしたか。
やっぱり交戦的な典型的アメリカ人であるランボーも、戦争ばかりの人生に嫌気がさして、フランスに移住して詩人になったのでしょうね。

……ってウソです、ウソです、すみません。
ランボー、存じています。
もともと学生時代は中原中也が好きで、その繋がりで『ランボー詩集』もかじったりしたこともありました。
しかし『地獄の季節』というタイトルも、どうもホラー小説のような気がしてなりません。
(まだ言っている)。