小川洋子サイン会に行けなくなった話

いつものように、今日は丸の内オアゾにある丸善を定点観測です。
すると……おお。
どうやら新刊である短篇集『海』の発売を記念してなのか、小川洋子のサイン会が11月28日に開催されるということなんですよ。
小川洋子サイン会のお知らせ
わーい、わーい小川洋子だ、小川洋子だ、ルルルンルンルンとスキップ踏み踏み帰宅するぼく。
早速、相方に報告です。

「とまあ、そんな訳で小川洋子のサイン会があるんだって」
「ふうん……」

む、何でしょうか、このノリの悪さは。静かなんです、静か。
しかしながら伝わるオーラは何やら厳しく、そして険しいのです。

「で、そのサイン会に行こうと思って本を買ってきたの?」
「いや、今日は荷物が多かったから、また明日に買いに行こうと思って……」

すると相方は黙って立ち上がり、チョイチョイと人差し指で“こっち来い”のサインを出してきます。
素直にトコトコついてぼく。
2人してリアル「書庫の部屋」に入ると、相方は“サイン本棚1号”を指差して聞きました。

「これは何かなあ」
「……サイン本ばかり集めた本棚です」
「読んだ本、あるのかなあ」
「いや、サイン本は読むのがもったいなくて……あまり、読んでません」

でも、読んでないといっても、“サイン本棚1号”に入れている本って数が少ないのですよ。
この写真を見ても判るように、特に本棚の上部にはかなりの隙間が空いてしまっているのです。
(左側:サイン本棚1号の上部 右側:サイン本棚1号の下部)
サイン本棚1号の上部 サイン本棚1号の下部
ね? どうですか? まだまだスッカラカンのカンなんですよ。

すると相方、再び黙って立ち上がり、またしてもチョイチョイと人差し指で“こっち来い”のサイン。
今度も素直にトコトコついてぼく。
隣のパソコン部屋に入りました。
相方はそこにあった“サイン本棚2号”を指差して聞きました。

「じゃあ、これは何かなあ?」
「……サイン本棚2号です」
「ここにある本で読んだ本は、あるのかなあ」
「いや、やっぱりサイン本は読むのがもったいなくて……あまり、読んでません」

そうなんです、サイン本棚1号に隙間が空いていたのは、サイン本棚2号の存在があったからなのでした。
(左側:サイン本棚2号の上部 右側:サイン本棚2号の下部)
サイン本棚2号の上部 サイン本棚2号の下部
いや、“サイン本棚2号”の存在を忘れていたわけじゃないのですが、やっぱりホラ、そこにあると何となく目に入らなくなるというのはオーギュスト・デュパンの時代からも言われてきたことですし、木の葉を隠すなら森のなかへ、小石を隠すなら海岸へ……ですよ。
(もう訳が判らなくなっている)
しかし、さらに情け容赦なく相方は畳み込んできます。

「小川洋子の代表作品って何?」

はっはっは。
これしきの質問だったら、いくらうっかり八兵衛のぼくでも簡単に答えることができるってものですよ。

「やっぱり有名どころでは『博士の愛した数式』かなあ。映画化もされているからね。映画化って言ったら、最近フランスで映画化された『薬指の標本』もあるよね。それと芥川賞をとった『妊娠カレンダー』も代表作だろうし、ぼくが高校生だった頃は佐野元春が好きだったから、『アンジェリーナ』もいいかな」
「ふうん。……で、どれを読んだの」
「え……?」
「それだけ有名作品がスラスラ出るんだったら、どれか読んでいるんでしょう」
「……。いえ、読んでません……」
「この間、“うわーいうわーい、サイン本だ”って買ってきた『ミーナの行進』は?」
「読むのがもったいなくて……」

し、しまった……。
大方の皆さんの予想通り、今回の小川洋子のサイン会行きは『不可』との判断を下されてしまったのでした。

コメント

改めて見ると、すごい量ですよね。
とてもかなわない。(うちは整理もできてないし・・)

初めて投稿します。
ご無沙汰ばかりのYoshiです。
お元気そうで何よりです。

そうですか~~サイン会は残念です。
写真の本棚の本すごい数ですね~~!
この本を制覇するのは、至難の業、
相方さんの調子も良さそうでなんか嬉しく
思いました。

これからもちょくちょく立ち寄ります。
Yoshiでした。

これは誰がどう見ても相方様の勝ちですね。っていうか、読みましょうよ本(笑)。

●ひろしさん:
ほとんどが本屋で売られていたものを買ってきたものです。
サイン会に行くのが億劫になってきた今日この頃。
(なんか日記とメッチャ矛盾したことを言ってる)
だからこそ、TRICK+TRAPのサイン会は和やかで、ホッとするのですよね。
またいつか、どこかの会場でばったりお会いできそうですね。

●Yoshiさん:
こちらでは初めまして&お久しぶりです。
この本に収められているのが実は「サイン本専用棚1号&2号」というだけあって、別に本棚がドーンとあったりします。
未読の本なんてこの本棚の比じゃないっすよ。
(なぜかハスッパな自慢口調)
相方は……まあ黙っていることにします(笑)。

●らかんさん:
ぼくに勝ち目はないですか? 海は死にますか? 山は死にますか? 風はどうですか? 空もそうですか? 教えて ください……って、いつの間にか、さだまさしの「防人の詩」になってしまっていますよ。
いや、それはさておき(笑)、本って不思議なモノで、本棚に置いてずっと背表紙を眺めていると、自然と読んだような気になってしまうのですよ。
だから改めて読むとなると、もう既に本を再読する気分になってしまって「何を今さら……」と思ってしまうのですね。
いやあー、この感覚だけは不思議なモノです。