立ちこぎポリス

今日も「あー、ちかれたびー」と死語を連発しながら会社を出たのです。
駅に向かってトボトボ歩いていたときのことでした。

交差点の向こう側から、ものすごい勢いで何かが近づいてくるではありませんか。
それでなくてもここはかなり薄暗いデインジャラスな交差点。
しかしその“何か”が近づいてくる気配だけは、ヒシヒシと感じさせるのです。
その半端ではない必死さのオーラに身の危険を感じ、「危ないっ!」っと、まるでジョン・ウーの映画張りの横っ飛びですよ、横っ飛び。
その反動で路上で1回転、2回転、3回転。
事なきを得たのでした(大げさ度1800%)。
さらにここで2丁拳銃で弾数のことなど考えずに撃ちだしていたら、そこはまさに香港ノワール。
オウ、ルボワール。
駅前の喫茶店ではありません(それはルノワール)。

そんなチョウ・ユンファなぼくの横を通り過ぎていったのは……自転車を立ちこぎしているお巡りさん。
お、お、お、お巡りさん?
自転車で街を警邏中のお巡りさんの姿は数多く見れども、立ちこぎしているお巡りさんなんて初めて見ましたよ。
いや、あまりドラマでも見かけませんね。
ドリフでも、いかりや長介はのんびりフラフラと自転車に乗りながら「おぃ~っす」と登場していたぐらいです。
(加藤や志村は全速力で突っ込んだりもしていたような気がしたけど……立ちこぎはしていなかったような気がします)
いや、ひょっとしたら金田一耕助シリーズだったらあるかもしれません。
「大変じゃー、また人が死んどるぞー」と言いながら、村の道路を金田一や等々力警部(「よし、わかった!」)のところにやってくる駐在さん。
で、その自転車はいつの間にか「えっ?!」と驚きながら金田一耕助が乗っていってしまうのです。
懐かしのテレビドラマ「横溝正史シリーズ」より
(イメージ図)

そうそう、ぼくが見たお巡りさんも、ちょうどこんな古谷一行のような感じで走り去っていったのでした。
しかし、もはや時代は21世紀というのこの時代の、東京というこの都会のド真ん中で、突如暗がりから現れたあのお巡りさん、自転車を立ちこぎしてまで、どこに行ったと言うのでしょうか……謎です。