非常時は冷静でも平常時に切羽詰る

13日の金曜日ですが、何ら不吉な出来事も起こらず、無事、今日という1日を過ごすことができたのでした。
これもきっと神のご加護があったおかげでしょう。
……ありがたや、ありがたや……と言いながらも、よくよく考えてみたら、ウチの実家はキリスト教ではなく仏教の家なのでした。
つまり、13日の金曜日だからって別に関係ないのですね。
敢えて気にするとすれば、仏滅か、三隣亡あたりですな。
あれ?
しかし仏教は仏教でも、何宗なのかまでは全然判らないのでした。
全然あかんやん。
ウチの家は結婚式すら挙げてないので、結局、何の宗教なのか知るチャンスもないまま今日に至っています。
ま、苦しい時の神頼みということで、そんじょそこら中にウジャウジャと八百万の神さん仏さんがいらっしゃるということで、そのときそのときで助けてくれる神さん仏さんがいらっしゃるということで。

そんな訳で、エセ仏教徒にはまったく関係のない13日の金曜日、駅の通路をトコトコ歩いていると……おお。
何やら壁に押しボタンが埋め込まれているではないですか。
押しボタンを見かけたらついつい押したくなるぼく、バスのなかでも「降車ボタン」を先に誰かに押されると悔しがるタイプなのです。
そんなぼくがボタンを見つけて黙っているわけがありません。
どんなんかなー(←笑福亭仁鶴風に)と近寄ってみました。
駅通路に埋め込まれていた押しボタン
あまりにゴテゴテと飾り付けたカバーに、眩暈クラクラ。
まあ「NO.7」とか、「西口改札口(←口という文字が被ってるよ)」というテプラを貼り付けるのは、管理面から仕方ないのかもしれません。
しかし黄色のテプラが毒々しく「緊急時以外は ボタンを押すな」の文字を目に飛び込ませるのです。
気になるのはこの言葉使い。
「押すな」ですよ、「押すな」
あまりにイタズラでボタンを押しちゃう輩の多さに業を煮やした駅員さん、つい心の怒りのままに「押すな」と書いちゃったのでしょう。
しかしボタンに嵌められたプラスチック部分には、ずい分と優しい口調で、「火災の際、“押”部を強く押してください」と書かれてあるのです。
この文章、かなり冷静じゃないですか。時は非常時、火災が発生している時なのにですよ、火災。
火がボーボーと燃えたぎっているさなかに、「“押”部を強く押してください~」と優しく言われているようで……まったく切迫感がありません。
ところが一方、黄色のテプラは「緊急時以外は」と断っていることから、これは平常時と判断できるのです。
平常時なのに、「押すな」ですよ、「押すな」
命令しているのです。かなりエラソウなんです。
逆に言うと、冷静さを欠いているようにも見受けられます。

つまり、この駅では普段から駅員は激昂して冷静さに欠けているのですが、火災がいったん起こると、冷静沈着優しい駅員さんに早変わりして、「お客さ~ん、こちらですよ~、逃げてください~」と甘くとろけるようなウィスパーボイスで避難を呼びかけるのでしょう。