POTALIVE FINAL 1 吉祥寺編vol.4『断』

とても珍しいスタイルで行われた「イベント」というのか、「ライブ」というのか、「パフォーマンス」というか、何と説明すればよいのか判らないぐらい、変わったイベントに参加してきたのですよ。
その名も"ポタライブ"。
これは主宰者の造語だそうで、

ポタライブとは、「散歩をしながら楽しむライブ」のこと。
軽いサイクリングや散歩を表すポタに、演奏・演技・ダンスなどを表すライブを組み合わせて作った造語です。

と説明されています。
散歩ですよ、散歩。散歩しながらライブを楽しむって......、んー想像がつきません。
でも、何だかメチャクチャ面白そうじゃないですか!
そんな訳で、今日から始まる「FINAL」(そう、ポタライブの自主公演はこれが最後なのだそうで)の参加を慌てて申し込みしたのでした。

19時、吉祥寺駅の改札口前で集合。
「POTALIVE FINAL」というファイルを持ったお兄さんに、「あのー、予約した中橋ですが」と声をかけて参加費用2000円を支払うと、チケットの代わりに渡されたのがこんなシール。
ポタライブ参加の証、怪しげな宗教団体にも見える......?
これを「見えやすいところに貼ってくださいね」とのこと。
なるほど。ツアー観光客状態ですな。
こうして集まった我々参加者一行(13名)は、主宰者に引率され、吉祥寺の街を散歩の旅「ポタライブ」に出かけたのでした。

まずは駅前で今回のテーマを軽くレクチャー。
ふむふむ、そんなことが......。
そして、いよいよ街のお散歩開始です。
しかし、ただ単に歩き回るだけではありません。
ポイントポイントで立ち止まり、この街に秘められた過去の出来事を解説していくことで、それまで表層的にしか見えていなかった(見ていなかった)街の姿が不思議とクッキリ浮かび上がってくるのです。
アーケードが七色に輝く仕様が新しい、サンロード商店街 とんでもない秘密が隠されていたLOFTの渡り廊下 権利が複雑なため、つぎはぎになってしまっているビルの一角

そしてこのポタライブでは、普段、なかなかその存在に気が付かないような場所へと誘ってくれるのです。
ビルとビルのすき間でポッカリと口をあけているこのような通路も、実は立派な市の所有地だということで、堂々と通ることができるらしいのです。
主宰者に引率され、恐る恐るビルのすき間に入っていく参加者一行(13名)

また吉祥寺は古くから栄えており、その当時の闇市の名残を残している飲み屋横丁もあるのです。
今回はそんな飲み屋横丁もズンズンと歩いていきます。
焼き鳥や串焼きのにおいが通路中に充満していた横丁に入っていきます
確かに、吉祥寺の駅から離れたところに「横丁らしき細い路地」がたくさんあることは知っていたのですが、改めて通ったのは初めてのことでした。

今回のタイトル『断』とは、都市開発によって"過去と切り離された街並み"を表していることには気が付くのですが、さらに"ことわり"と読ませることで、"別の意味"も浮かび上がる仕掛けになっていたのには驚きました。
これまで吉祥寺の街は、TRICK+TRAPか、吉祥寺シアターに行くときぐらいしか来ない「知らない街」でした。
ところがこのポタライブが終了する頃には、まるで古くからよく知っているような、そんな暖かな街並みに変わって見えてきているのですよ。
そんな不思議なイベントなのでした。

このポタライブ、今回の「吉祥寺編」以外にも、「広尾編」「世田谷編」「市川編」「船橋編」とあるようです。
【公式サイトはこちら】
お近くの方はぜひとも参加されてみてはいかがでしょう。
劇場ばかりがステージじゃないということがよく判る、本当に面白い試みのイベントなのでした。

そして、以下はネタバレになるので続きに書きます。

【注意!】
以下の記述・および写真では、ポタライブ全般にわたる重要なネタバレが含んでいます。

このポタライブでは、行く先々で怪しげな人々が登場します。
道の真ん中で突っ立ち、不審な動きをずっと傍らでしている人。
行く先々で突然現れ、不審な動きを傍らでしている人

ピアニカを吹き鳴らしている人。
行く先々で突然現れ、ピアニカを吹き鳴らしている人1 行く先々で突然現れ、ピアニカを吹き鳴らしている人2

そんな人々に、天真爛漫に付きまとう人。
行く先々で突然現れるパントマイマーやピアニカ吹きに付きまとう人

いや、もう、ホント、最初はメチャクチャ怖かったんですよ。
何だか行く先、行く先に着いてくるし。
......しかし、だんだんと気が付くようになってくるのです。
どうも彼らの動きや曲が、その場その場の街並みに合わせて見事にシンクロしているのですね。
そして判るのでした。

「ああっ! この人たちは役者さんだったんだっ!」

最初にも述べたように、主宰者はポタライブをこのように定義していたのでした。

ポタライブとは、「散歩をしながら楽しむライブ」のこと。
軽いサイクリングや散歩を表すポタに、演奏演技ダンスなどを表すライブを組み合わせて作った造語です。

つまり、我々参加者が主宰者に引き連れられて散歩をしている傍らで、ポタライブのメンバーは街並みに合わせた「演奏」「演技」「ダンス」を繰り広げている、そういった趣向だったのです。
もうこうなってくると、とっても楽しみになってくるのですね。
「さあ、次はどこに現れて何をしているのか」。
で、見かけたら「いた! あそこであんなことをやっているっ!」。
街並みの探索に加え、そういった楽しみも増えてくるわけなのですね。

これは危険なライブですよ。
わずか2時間程度の間に、通常のお芝居以上にグッと主宰者や役者の方々に親密感を覚えてしまうのですから。
その思いは皆同じだったらしく、吉祥寺の駅前でいつまでもポタライブの皆さんとお話をしているのでした。
いつまでも去りがたく、ついついお話をしてしまう参加者とポタライブの皆さん

コメント

またしても、mixiで足跡発見(笑)
やっぱり探してますね、ポタライブ日記。
ヒナで偶然お会いした者です。

私も先日『断』に行ったのですが、初回が
これだったら、多分同じようにダンサーを
「ついてくる、不思議な人」
って思ったと思います。日記だけ読んでたら
わからなかったけれど、実際行ったら、
ちょっと怖いこの感覚、わかりました(笑)。
いや、断そのものは、楽しかったのですよ。

こんばんは、noieさん。
そうなんですよ、バレバレデスネ、ポタライブの検索。
でも、不思議なもので、ポタライブに参加すると普通の演劇と違って、他の観客の人と妙な一体感とか親密感とか共有感を持ってしまうのですよね。
そんな訳で、ついつい他の人の感想を探してしまうのです。

しかしnoieさんの書き込みがあったので、久しぶりにポタ初経験だった『断』を読み返してみたのですが、なんだか当たり前のことにいちいち驚いている自分が懐かしいです(って、つい1ヶ月も経っていないのに)。
特にダンサーの木室さんが途中で合流してきたときは、もうどうなることかとマジこわでした。

しかし重ね重ね、こんなに面白く、素敵なイベントを知ったのが「FAINAL」だったと言うのが残念でなりませんね。
でもまた来春には駒場での新作公演もあるし、楽しみに待つことにします!