ダルマ落としでジェンガの西村京太郎

最近のホラーブームにあやかってか、トラベルミステリの大家である西村京太郎先生のノベルス装丁も、こんなホラー仕立てになっているのです。
西村京太郎のノベルスがドンと、山積み状態
しかしあらすじをよくよく読んでみると、どうやら内容はホラーではないようです。
“家族”をテーマにした短篇集とのことで、恐らく“旅行はないけどミステリ”なのでしょう。

いやいや、天下の西村京太郎先生の御本ですから、内容がホラーであろうが、トラベルミステリであろうが、トラベラないミステリ(←今つくりました。我ながら、なかなか語呂がよくて素敵なジャンル名です)であろうが、そんなことはどうだっていいのです。
ぼくが気になったのは表紙ではないのです。
平台に積み上げられたこのうちの1冊だけが、なぜか中途半端にはみ出しているのですよね。
どうしてこんなところがはみ出してしまうの?!
これがメチャクチャ気になって仕方ありません!

どうすると、こんな中途半端なところがはみ出してしまうというのでしょうか。
店側が品出しするときにゆがんでしまった?
……いや、それだったら店員さんがきちんと整えるでしょう。
何しろ、通路に向かってはみ出しているのです。
通りかかったお客さんが引っ掛けようものなら、平台の山が崩れてきて、それはそれはかなり悲惨な状況に陥ってしまうこと間違いありません。

となると……客?
ひょっとすると「ボク、一番上の本は汚いから取るのはイヤなの」と、真ん中から取り出そうとした輩がいたのかもしれません。
大体、平台の本を取るときは2冊目か、がんばって3冊目あたりを抜き取るのですが、どうやらこのお客、かなり潔癖症だったようで、客の手がまだ付けられていない真ん中あたりから取り出そうとしたのでしょう。
しかし侮ってはいけない本の重み。
たかだか数冊といえど上に積まれているのであれば、そんな真ん中から1冊の本をキレイに取り出すのは、かなり至難の技だと思うのです。
下手したら、帯とかビーリビリ。

そんな訳で結局、真ん中から本を取り出すと、まさにダルマ落とし状態になってしまっていることに気付いたお客。
本の重みで引っ張り出したまま元にも戻せず、こんな中途半端に本が飛び出した状態のまま……「う、う、う、うわぁーっ!」と火曜サスペンス劇場で死体を見つけてしまった通行人並みに逃げ出してしまったのでしょう。

いや、そのおかげでいまやこの平積み本がジェンガ状態なのですよ。
いつ崩れだすか判らない、危険なジェンカな西村京太郎先生の御本。
ホラー仕立ての装丁にしなくても、買うだけで十分にハラハラドキドキしてしまうのでした。