宮部みゆきを積み上げてみる

宮部みゆきの新刊『名もなき毒』の売り方が尋常ではありません。
どこの本屋さんに行っても、あの真っ黒の表紙がドーン、平台に天高く積み上げられているのです。
しかし平台にいくら積み上げられていても、いちばん上になってしまった本はたいてい立ち読み用となってしまい、本当に買おうとするヒトは、だいたい2冊目、なかには3冊目やがんばって4冊目まで発掘をして、“キレイな本”を探し出そうとします。
平台に積み上げられた宮部みゆきの新刊『名もなき毒』。だいたい2冊目より下が狙われます
しかしそうすると、1冊目が売れずに相変わらず立ち読み用として読まれるためドンドンと汚くなっていきます。
あるいは、2冊目程度ならまだしも、山積みになった3冊目や4冊目など、積み上げられた底から取り出そうとすると……帯が破れたり、かえってクチャクチャになってしまうのですよね(←なぜか知っている)。

そこで!
本屋さんもそんな“自分が欲しい本はキレイでいたい。でもあとは知らん”という輩に対抗するためでしょうか。
トランプタワーも真っ青のこんなトリッキーな平積みを考案したのですよ!
取り出すところがたくさんあって困ってしまう平積み
どうですか、これ!
普通に横5列、奥3列に積み上げているだけではなく、最頂部の本は立てて置かれてあるのですよ。
バランス感覚抜群の平台山積み方式なんです。

「わはははは。“キレイ本”好きなジコチュー野郎ども、どこからでも取りやがれ!
おおっと、そこのお客さん。変な取り方をしようものなら、立ててある本が崩れて恥ずかしい思いをするぞ」

という本屋さんの哄笑が聞こえてきそうなテクニックなのです。
そのうち、さらに高度なテクニックに磨きをかけると、「ジェンカ方式」(平台自体が不安定で、山積みの本がユラユラ揺れている)や「将棋崩し方式」(本当の“山積み”状態なので、真ん中を取ろうとすると雪崩れが発生してしまう)など、数々の平台積み上げ方式が考案されていくことでしょう……。

ここでフト思ったのですが、普通に1列に積み上げられてある本でも、一番上の本を次の日には2番目に置き直すと、その置き直した本が売れていくような気がします。
とすると、一番上の本がいつまででも売れ残って汚れることなく、上手く在庫がさばけていきそうな気がします……。

コメント

>「ジェンカ方式」や「将棋崩し方式」
これ見たい!スリル満点だね。
もう目的がどこにあったか忘れてしまいそうな難しさだよねー。
崩しちゃった人の罰ゲームって何だろ。積んだ店員さんもドキドキだし、本を取る順番待ちのお客さんも緊迫しそう。あ~この場に遭遇したい。

積み上げられている本を崩してしまったお客さんへの罰ゲーム、それはもちろん「元通り戻すこと」でしょう。
普通に1列で積み上げられている本を落としたり、崩してしてしまったときでも、戻すのは恥ずかしいのに、こんなトリッキーな積み上げ方に戻すのは……これはもう地獄絵図のような辱めです。
当然のことながら、本を床に崩してしまって帯や表紙が破れてしまったり、ページがクシャッとなってしまったら問答無用でお買い上げですね!
(もはや“お客様のための本屋さん”として機能していません)