佐々木丸美の全作が復刊(その2)

8月4日に「佐々木丸美の全作が復刊」と題して、「待望だったはずの佐々木丸美全作品復刊のニュースが発表されたが、どうもその発表コメントが引っかかる……(というか、はっきり“胡散臭い”なんて書いてしまっています)」と文句をタラタラ書きこんでいます。
しかもその記事を復刊ドットコムblogにトラックバックなんてしてしまったのですから、これではまるでやくみつるが亀田の親父さんに対して仕掛けた挑発行為にも匹敵するのです(←そんな命がけのパフォーマンスではありません)。
また、色々とサイトを見てまわっていると、やはりいくつかのサイトでも「逝去してからの復刊は嬉しいけど複雑だ……」と言う意見もあるようなのです。

すると8月9日付けの「復刊ドットコムblog」において、「佐々木丸美先生の本当の気持ち」と題してフォロー記事がアップされていました。
詳細は上記のタイトルリンクから見ていただくとして、今回明らかにされたのは「なぜ佐々木丸美が復刊を認めなかったのか」ということ。
どうやら“出版界とのしがらみ”という理由があったために、復刊することを拒否してきたらしいということでした。
そして復刊ドットコムblogでは、こうした“しがらみ”から解き放たれた今だからこそ、復刊を行うべきであると思うと記されています。
確かに、こうした理由があったと考えると、最後の作品を発表してから以降はきっぱりと筆を折り、二度と表舞台にも姿を現さなかったことが判るような気がします。

しかし我々部外者においては、こうした交渉事の水面下で数々の思惑や事情があることを知る術はありません。
復刊ドットコム側としても、どうしても公表できない事情もあり、歯がゆい面もあったと思います。
しかしながら、やはり我々部外者側としては「知らない」ものは「知らない」ため、何があったのか、発表されたコメントからあれこれ推測するしか術がないのです。
そのためにもどうしてもコメントの一字一句を読み込み、そしてそのコメントの裏に秘められた真意を読み解こうとしてしまうのですね。
このようにして、なぜこれまで作者本人が頑なに拒否してきた復刊が「逝去して1年も経たないタイミングで復刊できる」ことができたのかと疑問に思って読み込めば、どうしても“天国の佐々木丸美さんも、きっとこの復刊を喜んで下さっていると信じています。”の一文が目に付いて仕方がなかったのです。
そして、この“信じています。”に“ひょっとして作者本人の意思は反映されていないのではないか”と思ってしまったのですね。
復刊に関する権利は遺族が引き継がれ、交渉はその遺族の方々と行われたと思うのですが、果たして「本当に佐々木丸美本人の意思を知ったうえでの許可なのかな」などと穿った考え方をしてしまうのです。
確かに権利の所有は遺族側なので、遺族が「OK」と言えば「OK」なんでしょうが、それにしても、果たしてそれまでの作者本人との交渉の経緯を知ったうえでの「OK」なのでしょうか。
それによっては、この「OK」の重みもかなり変わってくると思うのですね。
そのような訳で、結果として先の「佐々木丸美の全作が復刊」では、“胡散臭い”などと書いてしまったのでした。
今回の復刊ドットコムblogフォロー記事は、確かに“復刊できなかった事情”を明らかにされましたが、復刊そのものに対する一ファンとしての疑問点については、

そんな佐々木先生の心の葛藤を知る一人として、あえて佐々木先生が人間関係に悩むことなき三界の人となった今、復刊が成就すべき時期であると思うのです。

と、あくまで復刊ドットコム側としての思いを伝えるにとどまり、上手くあしらわれてしまったような気がしてなりません。
確かに、遺族の方々との交渉となれば一般人ということになりますから、佐々木丸美以上に交渉内容を公表することは難しいとは思うのですが……。

とはいえ、前回のblogの結論でも書きましたが、なんだかんだと言いながらも結局は復刊された作品は全巻揃えている自分がいると思うのです……。

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コメント

今更ですが、先週金曜に佐々木丸美先生が亡くなられたことと復刊を知ったのです。
びっくりして検索してたら、ここへ辿りつきました。私は20代のころにはまっていました。
北海道へ旅行に行ったときには、訪ねて行こうとまで思っていました(笑)できませんでしたが。私も「雪の断章」を購入して、ひさしぶりに先生の世界にひたりたいと思います。折りしもちょうど冬がもどってきたような天候になっているので。こちらのブログでいろいろ知ることができました。ありがとうございました。

shihooさん、こんばんは。
コメントをどうもありがとうございました。

佐々木丸美死去のニュースは、もう既に作家としての筆を折ってかなりの時期が経つからか、さほど大きく報じられていなかったような気がします。

ぼくも散々なんだかんだと言いながら、結局本は買い求めていっています。
(文庫化されたものはもうすべて持っているのに)
また新聞で取り上げられたり、またあちらこちらの本屋さんでも見かけるなど、やはりファンにとっては待ち焦がれていた復刊なのでしょうね。

『雪の断章』はいいですね。寒い時期にはピッタリです。
(突然に頭の中で斉藤由貴の「情熱」が甦ってしまいました ← 映画の主題曲)

ぼくは個人的に「館シリーズ」、特に初期の2作がミステリ的要素が強くて好きでした。
東京創元社と密約(!)があるのか、復刊はいちばん後回しにされてしまったようですが……。
それでも最後まで買い続けることでしょうね。

今後ともよろしくお願いいたします。