佐々木丸美の全作が復刊

なんと、佐々木丸美の全18作品が復刊される運びになっているというからビックリなんです。
復刊ドットコムblog「佐々木丸美復活!」より)

復刊ドットコムとは、絶版や品切れになってしまった書籍を、ユーザーからのリクエストに応じて出版社や関係者に交渉をしてくれ、復刊を目指すサービスを行っているサイトなんですね。
で、かなり古くから佐々木丸美作品の復刊リクエストがたくさん寄せられていて、サイトの関係者が直接ご本人と交渉をなさったようなんです。
ところが結果は「No」。
交渉結果のページには、このような報告が掲載されたのでした。
(原文より改行位置を変えています)

復刊ドットコムにご投票頂き、ありがとうございます。
皆さまにリクエスト頂いた書籍は、残念ながら、私たちの力が及ばず当面の復刊が難しい状況となりました。
私どもとしても、表から裏から、簡単には諦めずに手を尽くしましたが、どうしても出せぬ事情が存在し、その願いはかないませんでした。
非常に無念です。いつの日か、この状況が変わらないとは限りませんので、投票はこのまま預からせて頂きますが、当面は本報告やむなしという状況になりました。
われわれの非力を、心よりお詫び申し上げます。
今後とも、一層の精進を重ね、著者と読者が復刊という場で出会えるよう努力いたしますので、これまでに倍するご指導、ご鞭撻をお願い申し上げて、ご報告にかえさせて頂きます。

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再三交渉いたしましたが、著者ご本人の希望で復刊不可です。
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しかしながらご本人が逝去されてまだ1年と経っていないこの時期に、もう『復刊』なんて発表がされてしまうと言うのはどうも……うーん。
(しかも“逆転復活”と言う表現もどうかと……)

正直、ぼく自身も文庫化されていない本のほとんどは読んでことがないし、古本屋で買おうとしても数千円から数万円単位の価格が付けられていることを考えると、復刊の情報は待望だったはずなんです。
が、どうにも引っかかることがひとつ。
今回の復刊は本当に作者本人が望んでいたかどうか。
結果報告ではわざわざ「改行」「仕切り線」までして目立たせた上で

再三交渉いたしましたが、著者ご本人の希望で復刊不可です。

としていたんですよ。

そりゃま、確かに作者ご本人が逝去された今となっては、出版の権利を有しているのが遺族なんでしょう。
その遺族が「復刊してOK」といえば「OK」なんでしょう。
そこまではいいのです。
問題は復刊ドットコムblogの記事内なんです。

天国の佐々木丸美さんも、きっとこの復刊を喜んで下さっていると信じています。

どうもこの一文が胡散臭い。
「信じています」ですよ、「信じています」
この言葉の意味がどうしても解せないのです。
どうして素直に「この復刊を喜んで下さっていることでしょう」と書けないのでしょうか。

ウラ読みすると、何も事情を知らない遺族に何らかの内容での交渉を行い、結果、生前の作者の意思に背いてサクサクと復刊が決まってしまったことに対する後ろめたさが見え隠れしているように思えるのです……。
どうなんでしょうか。

いや、ひょっとして作者が「生前は復刊ドットコムさんに悪いことした。わたしが死んだら復刊してもいい」と遺志を残されていたのかもしれません。
だったら何も問題はないと思いますし、トントン拍子に復刊話が進んでいったことも納得できるのです。
しかし、そうするとblog内でわざわざ

天国の佐々木丸美さんも、きっとこの復刊を喜んで下さっていると信じています。

なんて書く必要もないと思うのですが……。
うーん……。

とか何とか文句ばっかり言いながらも、結局、全巻を買い揃えちゃうのだろうなあ……オレ。

コメント

お気持ち・とてもよくわかります。
その通りだと思います。
やっぱり「他人は他人」なのだなあ。と思いました。
最後まで不幸な人生だったのかなあ。
とも思いました。

でも。ソレも『作品のトーンを守った』とも言えるかもね。
ある種のアーティストにはきっと・覚悟が必要・・・なんでしょうね。

長々とすいませんでした。
書いて下さって(しかも復刊ドットコムにトラバして下さって)ありがとうございました。

少しだけ慰められた・気がします。

新潟県人さん、こんばんは。
コメントをありがとうございます。

ぼく自身、もともと復刊自体は大賛成なんですよね。
またそのタイミングも、遺族が「作者の意向は了解した」うえで、OKされたのであれば、それはそれで喜ばしいことなんです。
ただ、部外者であるぼくたちにしてみればそういった部分の情報はどうしても復刊ドットコムのコメントに頼らざるを得なく、またその説明がないところを想像で補うと、「何だかなあ」と思ってしまったのですね。

まあ交渉相手が一般人である遺族の方々になってしまったことで、復刊ドットコムの方々もさらに公表できない情報なども多くなってしまって、実際に歯がゆい思いをされているのかもしれませんが……。