直木賞効果とサイン本

またしても、今頃直木賞の話題ですみません。
今回も直木賞作発表と同時に、定点観測を行っている各書店では、ここぞとばかりに「直木賞受賞作家コーナー」が設けられていました。
森絵都はこれまでにもそこそこ本は見かけていたのですが、正直なところ三浦しをんは「まほろ駅前多田便利軒」をたまたま買っていただけで、他はまったく知りませんでした。
そんな折からのタイミングで新刊がドン。しかもサイン入りでドサ。
三浦しをんのサイン入り『三四郎はそれから門を出た』
夏目漱石の名著を集めたタイトルからも判るとおり(……と言い切るには無理がある)、読書ガイド的なエッセイ集なんです。
単なる読書案内かと思いきや、それだけにとどまらないところが三浦しをんという作者の実は魅力だったのでしょうか。
たまたま休憩がてら、喫茶店で読み出したのですが……止まりません。
例えば電車内で隣り合わせた人が読む本が何なの気になり、ページの文字の断片から何の本か推測したり、横から一緒に読み進めてしまい、続きが気になるが本のタイトルが確認できず、検索しまくってようやく目的の本を探し当てたり。
本を読む人なら誰しもが共感できそうなネタを単なる「あるあるネタ」にしてしまわず、“三浦しをん”というフィルターでろ過された濃い味わいの1冊なのでした。
「趣味は?」と聞かれてただ単に「読書」と答えることに抵抗があったり、常に何かを読んでいないと落ち着かず、トイレの洗浄剤や入浴剤の効能までついつい読んでしまっている人には特にお勧めできる本です。

ところで。
今回も相変わらず「直木賞コーナー」はあっても、「芥川賞コーナー」はありません。
確かに、まだ受賞作は単行本になってませんし、ひょっとして他の作品も版元品切れ中で大急ぎで増刷しているからかもしれません。
だからそのお詫びに……と言うわけでもないのでしょうが、奥さまである角田光代はバリバリの新刊が出ていて、こちらもサイン入りなのでした。
(たまたまのタイミングだっただけなのでしょうが……)
角田光代のサイン入り新刊『ドラママチ』