大森望の受難

スタニスワフ・レム『ソラリス』ですが、三省堂書店での販促POPは大森望の直筆のようなのです。
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わずか十数センチ四方の紙片の中に、熱い思いが「これでもかっ!」とかなりこめられているようなのです。
これだけ熱い思いをこめたPOPを任せてもらえるのだから、きっと訳者冥利に尽きるのだろうなぁ......と思ってしまったのですが、あれ?
『ソラリス』の訳者は大森望と全然違ったのでした。
と言うことは、ひょっとしてこのPOP書きは、大森望にとってのタダ働きなんでしょうか。
ニッポンSF界を盛り上げるための、いわばボランティアなのでしょうか。
だとするとすごいぜ、すごすぎるぜ、大森望!
タダで書かされるのだったら、テキトーにお茶を濁して「この本、すごいよ」だけでもよさそうなものなのです。
なのに、

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ソラリスの海みたいなヤツまで書いてしまっているよぉぉぉ!

ここまでくりゃあ、もうボランティアなんて一言で片付けてしまってはいけません。
サービスなのです。大サービスなのです。出血大サービスなのですよ、奥さんっ!
ああ、一銭の儲けにもならないのにPOPに熱い思いを掛けた大森望の情熱には、ただ、ただ、頭が下がる思いでいっぱいなのです。
心のなかで合掌しながら、三省堂を後にして今度は別の本屋に来たのでした。
仮に"某書店"としておきましょう。
この某書店では現在、新しく到着した本を出している真っ最中だったようです。
本が台車いっぱいに山積みされていたのです。
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......ん? 台車に何か注意書きのようなものが貼り付けられています。
これはいったい何なのでしょうか。
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本出しに勤しむ店員の目を潜り抜け、台車に近づいてよくよく見てみました。
......こ、これは!

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大森望の新刊エッセー『特盛! SF翻訳講座』の販促POP......

なんと、本来なら大森望の本の販売に役立つはずのPOPが、こんな台車の脇に、しかも読みづらく横向きになって貼り付けられていたのです。
もうね、何と言うか、"人生の不条理さ""理不尽さ"といった面を学んだような今日の出来事なのでした。