連休最後の日曜日の今日は、朝から雨ザァザァ降りです。
しかしそんな雨降りごときに負けてはいられません。
吉祥寺はミステリ専門書店TRICK+TRAPで、米澤穂信の新刊『夏期限定トロピカルパフェ事件』発刊を記念してのサイン会があるということで行ってきました。
いつもはヒトの波が渦巻いていてちょっと苦手な駅前から商店街にかけての通りも、今日は雨降りだからなのか、拍子抜けするほど人通りが少なく、あっという間にTRICK+TRAPに到着しました。
店の中に入っていくと......おお、あつきさんにひろしさん。お久しぶりです。
というか、あつきさんとはなぜか、TRICK+TRAPでしかお会いしません。
ひょっとして、ぼくはあつきさんと会っている夢でも見ているのでしょうか。
だとすると、吉祥寺と言う街には何か幻覚作用を促すガスが立ち込めているのかもしれません。
皆さんもお気をつけください。
(↑意味不明なことを言うあたり、もうかなり相当ガスにやられているっぽい)
そして、サイン会でのいつもの定席には......おお、米澤穂信が鎮座おわしましています。
ちょっと遅刻をしてしまったため、待っているヒトもいなく、心の準備をする前にもう順番が回ってきてしまいましたよ。
「よろしくお願いします」
「はい、こんにちは」
(サラリ、サラリ、サラリ......)
「......」
「......」
うう、いけません、いけません。これはかなりいけません。
何だかすごく気詰まりなんです。メチャクチャ気詰まりなんです。
ここは何かを話し掛けなければ。
「あの、写真を撮らせてもらってもよろしいでしょうか」
「どこかにアップすると言うのでなければ」
う......。
もう100%このブログで今日のネタとしてアップする気マンマンなのでピンチです、ピンチ。大ピンチなのです。
「あ、ひょっとして顔出しはNGなんでしょうか」
(緊張のあまり、"エヌジー"なんて言ってるよ、オレ)
「あ、いやいや、そういう訳ではないですよ。インタビュー記事とかでも顔写真出ていますし」
「では、小さくしますから載せてもいいでしょうか。それと顔が出ないようにしますから」
もう自分でも何を言っているのか訳判りません。
ひょっとして「コイツ、結構キてるヤツかもしれんな」と呆れてしまったのでしょうか、何だかグダグダのうちに1枚だけ撮らせていただきましたよ、サイン中の米澤穂信。
でも!
いつもより心持ち小さく、そして見事に顔が写っていません。
それでも写真を撮らせてもらったことで何とか気が楽になってしまったぼく、気になっていることを思い出しました。
新しく連載が始まった、『11人のサト』についてです。
何でもこの『11人のサト』が掲載されているのは書店に置かれているフリーペーパーとのことですが、その肝心のフリーペーパーが置かれてあるのを見たことないのです。
そんな訳で、訊いてみました。
「『11人のサト』についてですが......」
「はいはい」
「どこにも見当たらないのです。どこに置いてあるのでしょうか」
......今、改めて考えてみたら、こんな質問を作者に投げかけるのもおかしな話ですね。
しかしそこは優しく答えていただけました。
「ぼくも最初は紀伊國屋とか三省堂とか、そういったところに置かれていると思ったのですが、全然違うみたいですね」
「違うのですか」
「アニメイトに置いてあるそうですよ」
アニメイト......。
名前は聞いたことあるのですが、どこにあるのかよく判りません。
というか、最初は雑誌の『アニメージュ』の表紙が浮んできてしまったほど、「アニメイト?」状態のぼく。
よっぽど落胆した顔をしていたのでしょうか、横でヘルプをされていた方(編集者の方?)が口添えしてくれたのです。
「書店関係だったら、秋葉原の書泉グランデにもありますよ。小説コーナーではなくって、階上のコミックコーナーになります」
なるほど! そこだったら判ります! ありがとうございます!
もうここまで来るとコワイものなしです。
ついでに訊いてみました。
「『11人のサト』が本にまとまる予定はありますか」
メッチャ困った顔されてしまいました。
そりゃそうでしょう、まだ連載がまだ始まったばかりですし......と思ったら、それだけではないようです。
「全部で100枚ぐらいの予定になるので、本にまとめるにはちょっと中途半端なんですよね」
うわおう。
全国1000万人の米澤穂信ファンの皆さま。
そのような訳で、ひょっとすると新連載の『11人のサト』は幻の短篇小説になるやもしれません。
アニメイトや書泉グランデ、あとはTSUTAYA各店でフリーペーパー「まんたんブロード」を見かけられたら、ぜひとも入手されておくといいかもしれません!
(でも、「引き受けてくれるところがあれば......」とのことでしたので、ひょっとしたらどこかでまとめる可能性もゼロではありませんが)
ちなみに、こちらはいしいひさいちのイラストがとても素敵なTRICK+TRAPのブックカバーです。
全国1000万人のいしいひさいちファンの皆さま。
このブックカバーだけでも手に入れる価値はありますぜ。
コメント
遅レスで申し訳ないですが、アニメイトにいった時に気をつけてみておきますね。
なんて名前のフリーペーパーなんでしょう。
「きゃらびぃ」じゃないし…(笑)
Posted by ハルカ at 2006年5月10日 13:13
おお、コメントをありがとうございます!
フリーペーパーの名前は「まんたんブロード」というらしいです。
毎日新聞発行らしいのですが、毎日とアニメってなんだか意外な気がしますねー。
ところで「きゃらびぃ」って何でしょう?
ますます判りません……。
顔を洗って出直してきます。
Posted by なかはし at 2006年5月10日 18:02
毎日新聞は毎回コミケでコミックやアニメの記事を載せた新聞を配ってたりするので、実はそっちに強いのかも?
「きゃらびぃ」は、アニメイトが発行している無料小冊子です。新作の広告とか、本やDVDの発売日が載ってるんですよ。
あとアニメグッズの紹介とか。
最近、私の作品も載せてもらってるので、アニメイトさんから毎号送ってもらってます。
Posted by ハルカ at 2006年5月10日 20:19
おお!
「きゃらびぃ」とはそういうことだったのですね。
うーん、やっぱり知らないことって罪です。
せっかくのオチを踏み潰してしまってすんません。
関係ないですが、ハルカさんってスゴイ方だったんだ……と最近は某日記での日々を読んで、ただ、ただ、ひれ伏しています。
そういえば!
この間「リアル書庫の部屋」を整理していたら……小冊子版の“週刊 札幌読書案内”が出てきたんですよー。
懐かしさにむせび泣きながら読み返していました。
(完全に私信モード)
Posted by なかはし at 2006年5月10日 20:51
「きゃらびぃ」はオタクにとっては恐ろしい冊子です。
次々とアニメDVDやらグッズが欲しくなってしまうという魔の冊子。
ぎゃー! その小冊子、私もすでにデータも持ってないので、とっておかれたほうがいいかも~しれませんw 激レアですよ!(笑)
超なつかすぃー。
でも、またそういう本作りたいな~。
Posted by ハルカ at 2006年5月10日 23:11
ありゃ! 小冊子版“週刊 札幌読書案内”が
レアなお宝?
それはますます大切にしまっておかなければなりません。
ハルカさんのサインをいただいて、サイン本専用書棚に
しまわせていただきます……。
まんたんブロードについては思わぬところに
置いてあるようでビックリしました!
(……あれ? こっちでの話題じゃないや。完全に頭のなかが交錯中です)
Posted by なかはし at 2006年5月11日 01:05
はじめまして。名前で米澤穂信との関係はわかるかな?
これからも、ずっとファンでいてあげてください。
いい奴なんで。
Posted by 米澤美幸 at 2007年6月11日 12:55
米澤美幸さん、どうもはじめまして。
その意味深な書き方……ひょっとしてご家族の方なのでしょうか。
であれば、いつもお世話になります。
このときのサイン会は、TRICK+TRAPというお店で行われたもので、通常の本屋さんでのサイン会とは異なり、ゆっくりお時間をいただけたのでした。
まあいきなり変なことばかり言われたり訊かれたりして、米澤さんご自身が困ってらっしゃったのではないかと思いますが……。
これからもよろしくお願いいたします。
Posted by なかはし at 2007年6月11日 13:51