ポツドール「夢の城」(THEATER/TOPS)

そんな訳で19時15分。
紀伊國屋書店の裏にあるTheater/TOPSに到着し、「座るとこ~」と崩れこむように座席にへたり込みました。
今日の観劇はポツドール「夢の城」です。
実は今回の舞台はかなり評判悪いみたいなのです。なので、もう観る前からドッキドキしていました。
ポツドールの舞台設定は、毎回観客が登場人物の様子を「覗き見している」ような、そんな後ろめたさを感じさせるようになっているのですね。
今回もまさにそれ。
どこかのアパートの一室に夜な夜なたむろし、何をするでもなくダラダラ過ごす若者たちの様子をただ見せ付けられているだけなんです。
セリフは一切ありません。BGMも一切ありません。
なので観客の息遣いまでもがリアルに感じる、そんなステージなのです。
動くものといえば、舞台上で演じられる登場人物である若者たちの動きだけ。
そんな内容のものを延々1時間半見せ付けられるのですから、確かに賛否両論分かれそうな内容です。
いったいどう終わらせるのか、心配なのです。
前々作では突然に終わらせてしまった“前科”があるだけにちょっと心配だったのですが……今回はどうやら違いました。
ラスト、登場人物の一人である女性がむせび泣くのです。
サイレントのようなステージだったからこそ、その声はよりクッキリと浮かび上がるようです。
この女性、それまでの行動から察すると部屋の持ち主なのでしょう。
その部屋の持ち主らしき女性がむせび泣くラストで、ようやくタイトルである「夢の城」に込められた作者のアイロニーが浮かび上がる仕組みになっているのです。
つまり、ステージにおける露悪的な趣味の悪さや、登場人物たちの呆れるほどのバカさ加減の一つ一つが、ラストにおける仕掛けの伏線であったのかと思われるのですね。

およそ演劇らしくないスタイルを持つポツドール、毎回物議をかもし出してはいるのですが、個人的にはこんなスタイルがあってもよいのではないかと思わされるのでした。
ただし、こんな冷静に考えられるのも、やっぱり事前にネット上などで色々とウワサを読んでいて、ある程度の「覚悟」ができていたからでしょうね……。