山田正紀の新作刊行記念サイン会(紀伊國屋書店新宿南店)

今日もダブルヘッダーで予定が入っちまいました。
まずはお昼間。
山田正紀の新刊『マヂック・オペラ』を記念してのサイン会が、紀伊國屋書店新宿南店で開催されたので行ってきました。
本屋さんのサイン会というと、お客さんをズラーッと並ばせておいて、機械的に流れ作業でサインをもらっていくのが普通なのですが、今回は椅子が用意されていて、係員は「番号順にお座りになってお待ちください」。
なんとサイン会に先立ち、山田正紀によるミニトーク付きなんだそうです。
山田正紀サイン会場の様子

やがて拍手に迎えられ登場した山田正紀、何だか人のいいおじさんと言う感じです。
マイクを持ち、司会者の質問に答えると言う形でのトークが始まりました。
いくつか要約すると、

  • 自分自身はジャンル作家としてこだわりたいが、書く作品は本格SFや本格ミステリといったジャンルから外れた小説を書いていきたいと思っている
  • 今回、二・二六事件をテーマにしたのは、この事件そのものが人によって意見が「是」「否」と分かれているため、非常に興味を持っていたから
  • 三部作とした「オペラシリーズ」は、当初二部作にしようかとも迷った
    しかし、GHQによる戦後の検閲もかなり気になっているそうで、それを『ファイナル・オペラ』としていきたいと思っている
  • 「ファイナルオペラ」の具体的な内容は決まっていない
    GHQと関わりのある館で殺人事件が起こる「館モノ」にする可能性も考えられる
    あるいは、「オペラシリーズ」は戦車に縁があるので、かつて実際に起こった、映画会社のストライキにGHQが戦車を出動させたと言う出来事を使ってのストーリーもあり得る
    ただし、映画会社だとセットもあるし役者もいるから何でもありになってしまってよくないかな......と思っている
  • 笠井潔に「『神狩り2』は自分の読者に向かってしか書いてない」と怒られてしまったので、来年の抱負としては、もっと幅広い読者に向けて判りやすく面白い、ストーリーやプロット勝負の作品を書いていきたい

といったところでしょうか。
他には江戸川乱歩の偉大さ(『猟奇の果』という失敗作を堂々と発表したこと)や、また執筆中に苦労した点(萩原恭次郎を有名な詩人とは知らなかった)など、あとがきでも記されているようなことを述べられていました。

そしてトークショーが終わると、前から順番に席を立ち、サインを書いてもらいます。
ぼくの整理券番号は「19」とかなり早かったので、すぐに順が回ってきました。
サラリサラリとサインを書いてもらっている姿に「写真を撮らせてもらってもいいですか?」と尋ねると、気軽に「いいですよ、どうぞ」。
ありがとうございます......とパシャパシャ5枚も撮ってしまいました。撮りすぎです。
(だってピンボケとかで撮れていなかったらイヤなんだもん)
為書きにサイト名もイヤな顔せず気軽に書いてくれました

パシャパシャと写真を撮りまくっていると、横から係員が「ご一緒の写真もどうぞ」
え? マジですか? ホントですか? いいのですか?
書店のサイン会といえば機械的な流れ作業しか知らないぼくにしてみれば、奇跡にも近い福音の御言葉なんです。
カメラを受け取ろうと差し出す係員のその手が、まるで受難者を救い給うイエス・キリストかマリア様のお姿のようにも見えてしまうのです。
「よろしくお願いします」......とおずおずカメラを差し出すぼく。
すると係員はとんでもないことを言ったのです。

「では演台に上って、先生とお並びください」

ビビデバビデ鼻血ブーッ!ですよ、もう。
これが流れ作業のサイン会だったら、サインを待つ列は遥か向こうの方に伸びているから問題ないのです。
ところが今回はトークショー付きということで、順番待ちはステージ前で行っているのです。
つまり......

皆がこっち見てるよーっ!

恥ずかしいのです、メチャクチャ恥ずかしい。
早く撮ってください、お願いします。
ところが係員の方もメチャクチャいい人すぎ。
ようやく1枚撮ったかと思うと、「念のため、もう1枚撮っておきましょう」
もうあまりの赤面ぶりに、顔面から出血しちゃうかと思いました。
「皆がこっち見てる! 恥ずかしい! ああ、やめて、見ないで~! お願いだからぁぁぁぁ!」と焦っています

写真を撮り終えてもらうと、決して心がこもっているように聞こえない「ありがとうございました」を繰り返しながら、逃げるように会場を後にしてしましました。
うーん、今こうして考えてみると、何だかメチャクチャ失礼な野郎ですね、ぼく。
どうもすみません......。
山田正紀は、今回始めて為書き入りで貰えました