ク・ナウカ「オセロー」(東京国立博物館 日本庭園 特設能舞台)

今回のク・ナウカの公演は、能のスタイルで進められる「オセロ」でしたが、能もオセロもどちらの内容を知らなくても、ちゃんと楽しめられるようにつくられていました。
まずは能のスタイルについて、入場前に配られたパンフレットに簡単かつ明瞭に書かれてあります。
また「オセロ」についても、ストーリーの骨格が事前にステージ上に設営された画面に字幕で説明され、「なるほど、なるほど」。
能も「オセロ」も“最低限、これだけ知っていればいいんだよ”というところを説明してもらえて安心して観ることができました。
さすがです。
またストーリーだけではなく、「場の力」にこだわる彼らとしては、ステージの見せ方も見事に計算し尽くしていました。
物語の進行に合わせて、照明に浮かび上がらせる背景となる日本庭園の様子は、まさに「幽玄」という言葉がぴったり当てはまるのでした。

そして奏でられる音楽と、独特の台詞回しの不思議さ。
演奏される曲は能楽ではなく、打楽器を中心としたいわゆる民族系なんですね。
しかしこれがまたシェークスピアのような登場人物の心の奥底を浮かび上がらせるスタイルの演劇にはピッタリ合うのです。
特に激しさを現すシーンにはもう圧巻されっぱなしでした。
きっと、お澄まし顔のシェークスピア(その顔をした肖像画しか見たことない)もビックリしていることでしょう。

観客には、外国人の姿も何人か見掛けましたが、果たしてあの音楽のように奏でられる独特のセリフまわしが理解できたのでしょうか……。
ちょっと心配です。
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