倉知淳サイン会(TRICK+TRAP)

今日は吉祥寺のミステリ専門書店「TRICK+TRAP」で、倉知淳の新刊『猫丸先輩の空論』発売を記念したサイン会が行われたので行ってきました。
通りから、中の様子もある程度窺える「TRICK+TRAP」の窓

しかし「腹が減ってはサインは頼めぬ」という格言どおり(←ありません)、まずは昼過ぎにまりりな方と合流しての腹ごしらえ、吉祥寺案内がてら、お蕎麦屋さんに連れていってもらいました。
吉祥寺のめちゃうま蕎麦屋「よしむら」
この店、ここがまためちゃうまの店なんです。
ついつい調子にのって頼んだメニューは、二人とも下戸なので酒抜きのはずなのに、完全に酒呑みモードのもの。
そして締めに頼んだ蕎麦、これがまた絶品なんです。
ぼくが頼んだ二八蕎麦は程よいのど越しが楽しめる上品な味だったのですが、まりりさんの頼んだ田舎蕎麦が持って来られたのを見て「何じゃそりゃっ!」
ジーパン刑事並みに驚いてしまいました。
何しろ、てっきり"イカスミパスタ"が出てきたのかと思ってしまったほど、蕎麦の色が黒いんです。
真っ黒にツヤツヤと黒びかり。
例えて言うなら、蕎麦界での松崎しげるか、東幹久、そんなぐらいの黒さなんですよ。
「ちょっと一口くださいな」とまりりさんに懇願し、渋るまりりさんには構わず横から奪うように蕎麦をたぐり「......!!」。
スゲーです、スゲー。
蕎麦の風味がお口の中で暴力的に吹きすさぶのですよ。
バフーバフー。
こんな蕎麦を食べさせられてしまっては、もうしばらく他の店ではお蕎麦なんて食べられません。
それほどの濃厚な風味を醸し出していた田舎蕎麦なのでした。

ちなみにこちらは残念ながらぼくが頼んだ二八蕎麦。
黒びかり蕎麦はまりりさんのお腹です。
ぼくが頼んだ二八蕎麦も、のど越しのよさと、程よく感じる風味がぴったり合っていて美味しかったー

そうこうしているうちに、時間になったのでお店まで移動してきました。
まりりさんは次の組ということで、お店の前で別れたのでした。
しかし店に入るや、こちらに手を振るヒトがいます。
おかしいです。東京ではミステリ関係での知り合いはいません。
きっとこれは、誰か他の人に手を振っているのを「ぼくに手を振っている」と勘違いする典型的な恥ずかしいパターンに違いありません。
なので、ここは「ぼくは間違えませんよ~」という怪しいオーラ全開で知らん振りなんてしていたのですが、どうもこっちを見ているようなのです。
その気配が、視線が、ビンビンと伝わってくるのです。
まさかね......と、そっと目を向けてみると......

あつきさんっ!
いやいやいやいや、驚きました。
関西に住んでいた頃には、よくオフ会などでご一緒をさせていただいていたあつきさんがそこにいるのです。
調べてみたら、98年の日記に何度かそのお名前が登場していますので(意味なく"Aつきさん"なんて変なイニシャライズ化されていますが)、7年半ぶりの再会......?
ここは関東ですよ!
しかもサイン会は何組か時間別に分けられているのですよ!
しかも倉知淳なのですよ!
まさかこんな形での再会を果たすとは思ってもみませんでした。
ご結婚をされていたと言うことで、遅ればせながらおめでとうございます。
旦那さまもご一緒に来られているとのことで、ああ、羨ましいのでございます。

などと、しばし興奮気味にレジ前の通路で延々立ち話。
お店の皆さま、どうもご迷惑をおかけいたしました......。

取り置きしていただいていた本のお会計。
戸川さんのブログには「(トラブルがあったため)できるだけ細かいお金を持ってきていただければ」と書かれてありましたので、キッチリ細かいお金で出そうとしたのですが......あれ?
945円のうち、5円の端数分が1円玉でしかないや。
そんな訳で、"細かいお金"と言ってもほどがあるだろうと突っ込まれそうな1円玉でお支払いをしたのでした。

そしていよいよお店の奥に向かうと......おお、そこにいるのは倉知淳なんですよ。
初めて顔を見たような気がします。あまり著者近影って出回ってないのでしょうか。
とすると写真撮影は厳禁なのかな......と恐る恐る聞いてみると、ものすごく丁重に「写真ですか、どうぞどうぞ!」。
もう船越英一郎をほうふつさせる笑顔とともに、写真撮影の許可をいただいてしまいました。
その上、サインには相変わらず「書庫の部屋」なんてサイト名なんて入れてもらっています。
サインを書いている倉知淳
その間にも色々と質問をします。

「収載作品のすべてのタイトルがパロディですが、"夜の猫丸"だけ判りませんでした」
「ああ、それはフロストです」
『夜のフロスト』ですか! てっきり北村薫の"夜の蝉"か、映画の"夜のストレンジャー"かと(←かなり強引な解釈)」
「実は前作(『猫丸先輩の推測』)でも、最後に"クリスマスの猫丸"としているでしょう。書き下ろし作品はフロストで統一しようかと」
「なるほど! じゃあ後もうひとつ"子ねこを救え"は、何なんでしょうか」
「島田雅彦です」
「おお! じゃあ『子どもを救え!』ですか」
あっという間に素朴な疑問を解いてもらったのでした。
しかしフロストシリーズが続いていたとは(しかもどちらも書き下ろし作品)、こりゃお天道様でも気が付かなかったことでしょう......。
(あとで気が付いたのですが、次回の書き下ろし作品は"猫丸日和"なのか訊くのはすっかり忘れていました)
こういった、作者の方との会話がじっくりできるところが、こちらのお店でのサイン会の最大の特長なんですね。

そして最後、サインが書きあがると何と倉知淳はサイン本を抱えてこう言いました。

「サインの証拠写真を撮りましょう!」
ああ、船越英一郎!
いや、その船越英一郎をワイルドにした印象の倉知淳!
素敵です、素敵!
もう猫丸先輩にはどこまで付いていってしまいそうです。
もうあまりの感動に、ファインダーから覗く景色が涙で曇ってしまって、よく見えなかったほどなんですよ!
しかしそこはそれ、オートフォーカス機能できちんと写真は撮れていました。
著者自らサイン本を抱えての証拠写真
そうなると、そこはもう自然と写真撮影大会となってしまい、あちこちでフラッシュが焚かれるのでした。
ぼくも負けていられないぜ、とカメラをケータイに持ち替えてこちらでも撮影したのでした。