著者自ら「安いですよ、奥さん」

奥泉光の新刊「モーダルな事象」、販促POPを本人が書いているのはいいのですが、どこかオカシイのです。

1、2はまだ通常のキャッチコピーとしてOKなんですが、3の「笑えます!!」って何なんですか!
ミステリ、SFときて、「笑えます!!」。
(しかも赤字でビックリマーク2連つき)
このつながりのなさは、まるでスープ、前菜、魚料理ときて、お肉のメインにチャーシューメンが出てきたような、そんな強烈な違和感。
そして極め付きが4の「これだけ厚くて1950円!」。
こんな宣伝文句、普通は作者は言いませんって。
言うとすれば、出版社とか本屋とか、売る側のはずなんです。
(だって値段を設定しているのは出版社なんだし、お客さんから直接お金をいただくのは本屋ですからね)
それを敢えて著者本人が言ってしまっているのは、なぜなんでしょうか?
ということで、ここからはしばし妄想モードに突入。
きっと、奥泉光本人としては「これだけ厚い本を書くのにかなり長い時間が掛かったんだ。だから印税としては●●●●万円(←桁数は勝手な憶測)は欲しいところだなあ」と考えていたところ、出版元である文藝春秋からは非情にも「今回は税抜で1857円とさせていただきます」。
そんな……と、まるでボーナスの予定が狂ってしまったお父さんのようにガックリ消沈する奥泉。
そんなときに本屋さんから「新刊の販促POPをお願いします」と依頼されて、もうヤケクソ。
本当だったら2500円にして印税をがっぽりいただきたかった本の値段がわずかに1950円!
お安くしとくよ、奥さん状態。

……きっと出版界って、我々読者の見えないところではそんなドラマが繰り広げられているに違いないのです。