出版社お断り文の新しい夜明け

講談社ノベルス今月の新刊には、なんと3冊もの山田風太郎“忍法シリーズ”。
しかしその表紙は……ああ、これも時代の流れなのか、マンガ化されたキャラクターが描かれていて、まるでライトノベルなんです。
山田風太郎『甲賀忍法帖』(講談社ノベルス)  山田風太郎『柳生忍法帖(上)』(講談社ノベルス)  山田風太郎『柳生忍法帖(下)』(講談社ノベルス)

こういった昔の小説を再販するにあたっては、「差別用語使用に関する出版社からのお断り文」と言うのがよく掲載されています。
“この作品には、今日の人権意識に照らして不当・不適切な語句や表現がありますが、作品の時代背景を考慮し、そのまま出版しました”……みたいなやつ。
ところがこの3作品に付記されていたお断り文は、こういったくどくどしい言い方とはちょっと違うのです。
今までの言い訳がましい「お断り文」とは一線を画している講談社ノベルスのお断り

どうですか、このいっそ清々しいまでの開き直り。
文学性ですよ!
芸術性ですよ!
そしてトドメに時代小説の特殊性ですよ!
こうまで言われてしまっては、かえって文句を言うやつがブンガクもゲージュツも、そして特殊性も誓いできないやつのように思わされてしまいます。
うーん、これはなかなか人間のプライドをうまく揺すぶるいい表現を思いつきましたな、講談社ノベルス。