突然姿を消した子供と、母校を間違えた建築家のナゾ

何気なくテレビをザッピングしていると、いきなり北村薫が登場していました。
チャンネルはエネーチケー、もといNHKの、番組は「課外授業 ~ようこそ先輩~」。
タイトルどおり、各界で活躍する有名人が、母校である小学校を訪れ、2日間の課外授業を行うというものでした。
この番組で、初めて動く北村薫を見たのですが、

皇太子殿下にソックリ。

ああ、ああ、何と不遜なことを。
いやいや、そんなことはどうでもいいのです。

今回の番組テーマは、「日常のナゾから物語をつくる」。
いかにもエネーチケー、もといnhkが好みそうなネタです。
しかしそこはそれ、殿下......いや、北村薫はゴキゲンに「不思議なモノを観に行こう!」と、子供たちを街中に連れ出します。
そこにあるのは、道路沿いの畑の中に建てられた30センチほどの小さな鳥居。
子供たちにこの鳥居を見せた北村殿下は、「物語を作ってみよう」と提案するのです。
学校に帰ってきた子供たちは、グループに分かれ、アレコレと創作を始める......というものでした。

しかし子供たちよ、日常のナゾは、君たちの中にあることに気付いていないのか?!
1日目、鳥居の物語をアレコレ考えている子供たちに混じって一人、「あ~あ、しょうもね~。ぜっんぜん面白くねぇんだよ」といったオーラを全身から醸し出している一人の少年がいたのです。
グループワークでも、物語を熱心に考える友だちの輪から一人離れ、つまらなさそうに見ているだけの少年。
おお、何だ何だ、あのやる気のない少年は?
ひょっとしたら北村薫、あの朴訥な皇太子殿下顔とはウラハラに、キンパチ先生の武田鉄矢やスクールウォーズの山下真司みたいな熱血指導で、この少年に「物語の面白さ」を目覚めさせるのか?
どうなんだ、どうなんだよ、北村薫、いや、皇太子殿下ぁぁぁぁ~っ!
......などと手に汗握りながら見ていたのです。

ところが。
あれ?
2日目の授業のときには、その少年はいないのです。
姿を消してしまったのです。
まさか......

平成のロンパールーム事件、勃発?

そうです、ロンパールームです。
しりとりをしている最中に、「キ」で始まる言葉を考えていた子供が、元気よく「キンタマッ!」と叫んだ、アレです。
慌てたみどり先生に「もっとキレイなものを言いましょうね」と言われ、さらに追い討ちをかけるように「キレイなキンタマッ!」と叫んだ、アレです。
突然に「しばらくお待ちください」の画面表示になり、番組が再会されたときにはその男の子の姿はなく、イスの上で動物のぬいぐるみが寂しく微笑んでいたという、アレです。

なんと、やっちゃいましたね、エネーチケー。
つまらなさそうにしていた男の子はどこにやったんだ? エネーチケー。
「返せー、ぼくらのクラスメートを返せー!」と暴動に発展し、彼らも受信料を払わなくなってしまったらどうなってしまうのだろう......などと、しなくてもいい心配をしてしまっているぼくなのです。

そして。
男の子は再び画面に現れることなく番組は無事に終了しました。
しかし、今日最大のナゾはそこに待っていたのです!
何やら「お詫び」画面が表示されたのですが、それがまったく持ってのナゾなんですよ。
要約するとこんな感じです。

先週の放送は、エライ建築家センセイの母校として名古屋市立○○小学校を舞台に番組をお届けしました。
しかし、これはエライ建築家センセイの記憶違いで、エライ建築家センセイの実際の母校は名古屋市立××小学校でした。

え? え? え? え? ......うっそーっ!
記憶違いで関係ない小学校を母校と思い込んでしまうって......とほほ。
それをまた放映しちゃうって......とほほ。
いったいどうお詫びすればよいのやら......とほほ。

今日いちばんの最大のナゾは、「小さな鳥居」でも「歴代の校長先生の写真」でも「駐車場に置かれてあるボート」でも「14体中1体だけマリを持っている獅子の屋根飾り」でもなく、「エライ建築家センセイは、なぜ自分の卒業母校を間違っていたのか」だったんですねー。

さあ、小学生諸君たち、素晴らしい物語を考えてくれたまえ。
あ、決して「ボケていた」などというオチは、チッチッチッ、禁じ手だよ。
もちろん、夢オチでもダメだ。
「建築家」に絡めて、綾辻行人の館シリーズの番外篇だったらオッケーだ。
さらに、島田荘司がビックリして、サングラスのフレームを耳の後ろから上下に動かしながら「ソレはスゴイ!」と、ナゾの驚き方をさせてしまうほどのビヨヨ~ントリックなら大歓迎。

さあ、皆で考えるんだ!
例の少年も連れてくるんだぞ。
これはオヂサンとの約束だ。