「二人の女兵士の物語」(新国立劇場・小劇場)

ソワレは、下北沢からそのまま京王線に乗って初台へ移動です。
場所は新国立劇場。
といってもシェークスピアとかオペラとか、そんなんじゃありません。
小劇場ですよ、小劇場。
本来のステージから客席に向かってさらにステージを三角形に張り出し、その張り出されたステージを、両サイドの客席から見ると言う趣向の「ロフト」ステージ。
ちょうどこんな感じなんですね。
実験的なスタイルの「ロフト」ステージ

出演は、小島聖と宮島千栄の2名のみ。つまり2人芝居ですな。そのままですけど。
しかしながら、「役者はステージの両側から観客に観られている」という、通常の劇場ではあまりありえない実験的なスタイルに、いったいどのような作品をどのように演出してくるのか、もう考えるだけでワクワクドキドキのサスペンスフルな小劇場空間。
しかも、その作・演出は、今をときめく燐光群の坂手洋二なんですよ。
きっと社会的なメッセージ色の強いものを持ってくるのですよね、ね、ね。
だってタイトルが「二人の女兵士の物語」ですもん。

開演直後、いきなり来ましたよ。吹雪く冬山の屋外に、ロープで括られた一人の女兵士、そして彼女に“自己批判”と“総括”を迫る女兵士。
ここは60年代か、70年代か。全共闘か、中核派か、革マル派か、日本赤軍か。
そんな物語化と思いきや……ん?
なんと暗転するたびに物語は次々とめまぐるしく変わっていくのです。
てっきり、女兵士2名の争いごとを延々と描いた物語とかと勝手に思っていたのですが、さにあらず、オムニバス形式で、様々な状況下における女2名の争いを、時には荒々しく、時にはひっそりと水面下で描きあげる作品だったのでした。
しかしその緩急極めた展開に、観客はステージのの両脇でただ、ただ、圧倒されるだけ。
非常に濃密な内容に仕上がっていたのでした。

こうした「お行儀のいい」劇場で観た作品で、こんなに「メチャクチャ面白かった!」と感じたのは、ひょっとして初めてのことなのかもしれません。
ぜひともおススメ……って、もう終わってるやんけ!
「二人の女兵士の物語」(新国立劇場)