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季節外れのミレナリオ

先週、天気予報では「この週末は寒くなるでしょう」なんて言っていたのに、結局は暑いほどの日差しがカンカン照り付けるこの季節、今は秋? それとももう春?
季節感がメチャクチャです。

このまま冬なんて季節はフォーエバー、永遠にやってこないのではないかと恐怖する今日この頃なんですよ。
なのに、能天気な街えではもうクリスマスシーズン真っ盛り。
デパートにはクリスマスツリー、おもちゃ売り場には子供向けプレゼントのアレコレ、そして中流家庭を気取るお宅の木々やベランダにはクリスマス風の飾り付け……。
もうあっちを向いても、こっちを向いても、どっちを向いても、皆がクリスマス、一億総クリスマス化現象の真っ只中に突入してしまったようなのです。

いくら一億総クリスマス化現象だからって、それでも気が早いよなあ、クリスマスなんてまだまだなのに……と思っていたのですが、あれ?
よくよく考えると、もう11月も今日、明日で終わりなんですね。
って、もう12月? うそ? この春のご陽気のさなかに? 師走? 年末? 年の暮れ?
もうね、世界が崩れるかと思えるほどの驚きですよ。
オーストラリアではサンタはサーフィンに乗ってやってくると知ったときぐらいの驚きようですよ。
何しろ春のさなかにクリスマスなんですから、これをビックリしなくて、何をビックリすればよいというのですか。

そんな訳で、あまりの驚きように会社からの帰り道、電車に乗ることも忘れて(←それじゃ痴呆症だよ……)有楽町まで歩いてしまいました。
昭和のモダンなテイスト漂う“銀ブラ”ならぬ、“丸ブラ”ですな。
うーん、何だか丸い形のブラジャーみたいですが、そうじゃなくって“丸の内をブ~ラブラ”なんです。
(そう書けば書いたでまたオゲレツ……)

丸の内仲通りには、もうミレナリオの用意がなされていました。
はやっ!
まだ点灯こそはされていませんでしたが、もうスタンバイされているミレナリオのセット
これこそ、クリスマスツリーや飾り付けと違って、本当に必要なのは実際に使用するクリスマスから年末にかけての本番のときだけなのです。
なのに、気が早いのか、もう用意なんてしてしまっているのですよ。
これから1ヶ月、台風がくるかもしれません、地震がくるかもしれません、酔っ払いのタイガースファンがハッピを着て登るかもしれません。
そんなリスクを差し引いても、それでももう設置してしまいたいという欲望にかられてしまったのでしょうか。
やっぱり世の中、少しずつ皆の気が早くなっているんじゃないかと思う今日この頃なんです。

帰り道は、無事に電車に乗る方法を思い出して、有楽町から電車に乗って帰ることができました。

おフネさん、ご乱心

電車の中で、何やらワカメちゃんが引きつった笑いを浮かべて、ちょっと困っていました。

引きつり笑いのワカメちゃん。一体どうしたと言うのでしょう

一体、何が彼女の身の上に起こったと言うのでしょう。
よくよく観てみると、どうも一緒に話をしているフネさんが困ったことを言っているようなのです。

ワカメちゃんに将来設計を語りかけるフネ
ワカメ、将来、就職するんなら、日本郵船がいいんじゃないかい。

ワカメちゃんといえば確かまだ小学3年生。
このお年頃の女の子の将来の夢といえば、「お嫁さん」とか「お花屋さん」とか「パン屋さん」とか、そういった身近なものではなかったでしょうか。
なのにいきなり「就職」ですよ、「就職」。
いくら今が就職難の時代だからって、小学校3年生から就職を考えさせてどうするつもりなんでしょう。
しかも「日本郵船」なんて、えらく具体的に社名まで出しちゃっていますよ。
何を根拠におフネさんは、日本郵船なんて言い出したのでしょうか。
そしてワカメちゃんのこの引きつった笑い。
そしてどこか諦めに似た表情をも見ることができます。
きっとワカメちゃんは心の中で、「またお母さんの繰り言が始まったわ」とため息をついているのでしょう。
そうです、きっとフネさんは年がら年中、まだ小学生である自分の子供たちを捕まえては、「日本郵船に就職するのがいいんじゃない」などと言っているに違いないのです。

それが証拠に……ホラ!

カツオくんに将来設計を語りかけるフネ
カツオ、将来、就職するんなら、日本郵船がいいんじゃないかい。

まったくもって同じことを、今度はカツオにも言っています。
カツオだってまだ小学5年生。
そんな何十年も先の心配よりも、中島と遊ぶ約束に遅れそうなことの方が心配なはずです。
見てくださいよ、カツオくんだってメチャクチャ困りながらも、どこか「ああ、母さん。まただよ」といった諦めの表情が見てとれるのです。

しかし、どうしてフネさんはここまで自分たちの子どもに「日本郵船」などと具体的な社名まで出して、就職を勧めるのでしょう。
サザエさんと言えば「東芝」ですよ。
なのに日本郵船。
すると、エライ事実を発見してしまったのです。

日本郵船は実はフネがオーナーだったのです!
フネの会社です

オー! マイ! ガーッ!
なんとフネは「日本郵船」のオーナーだったらしいのです。女帝ですよ、女帝。
あの亭主関白を絵に書いたような波平にいつもニコニコ接しているあのおフネさんが……女帝。

きっと今のうちにワカメちゃんやカツオくんを会社に呼び入れ、一族で経営していこうと言う魂胆に他なりません。
恐るべし、おフネさん。

経営陣を一族郎党で固めると言えば、マスオなんて筆頭に引き入れられるのだろうな……と見てみると、ありゃりゃ。

姑としてのプレッシャーを、マスオさんにさりげなく与える鬼のようなフネ
マスオさん、いつかは、サザエを世界一周クルーズに連れていってやってくださいよ。

アカの他人であるマスオさんには、決して「今、転職するんなら、日本郵船がいいんじゃないかい」とは一言も言わないようです。
それどころか、オニですよ、オニ。
「いつかは連れて行ってやってくださいよ」という言葉の陰には、「フン、この能無し男の甲斐性なし」という罵りのニュアンスが含まれていることに気付かなければなりません。
ただし、決してそれを表に出さず、娘の名前を出して「嫁の母」という微妙な立場から、真綿で首を絞めるかのようにジワジワとプレッシャーを与えているわけですね。
さすがは女帝、やり方がうまい。
放送の中ではサザエさん一家と仲良く円満な家族関係を築いているように見えるマスオさんですが、一旦収録が終わると、きっとこのようにおフネさんからチクチクと苛められているに違いないのです。

そう思うと、苦笑しながら頭をかいているマスオの眼が、実は笑っていないことに気付きませんか……。
ひょっとすると、我々からは見えない左手の先には、バタフライナイフか、文化包丁か、あるいはナタか、日本刀か、牛刀か、スタンガンか、マシンガンか、手榴弾か、とにかく何らかの武器を持っていないとも限らないのです。
一家惨殺までもはやカウントダウンに入っているかもしれません。

そして、これが実の娘になるとどうかというと

フネよ、あなたは独裁者になりたいのか
サザエ、あたしがいるから、サザエがいるんだよ。
タンカーがあるから、石油も来るんだよ。

もはやサザエさんは、おフネさんの言うことなど聞く耳持ってません。
カメラ目線でニヤニヤ笑いっぱなしです。
そりゃそうです。
なぜか皿を拭きながら、いきなり「私がいるから、お前がいるんだ」などと恩を着せてくるのですから。
しかも、「タンカーがあるから、石油も来るんだ」などとワケの判らないことを口走り始めています。
これは非常に危ない兆候と言えるでしょう。
サザエさんもニヤニヤ笑っていないで、至急、対策を打っておいた方がいいのです。

しかしこのおフネさん、どうせだったらこの調子で街に飛び出して

  • サブちゃん、あなたが持ってきたお醤油も輸入大豆が原料なんですよ
  • 伊佐坂先生、紙の生産がストップしてもe-Novelがありますよ
  • アナゴさん、あなたのその大きなクチビルを何とかしてくださいよ
  • 花沢さん、あなたの家にはカツオを婿入りさせたりしませんよ

などと町内をわめきながら歩き散らす「どうした?! おフネさん?!」シリーズなんてつくってみてはいかがでしょう。
もちろん、言われた皆はやっぱり「ちょっと困った顔」をしながらも「ああ、まただよ、磯野さんちの大奥さん」と諦めも混じった表情で聞いているのですね。
その際には、おフネさんの髪の毛をちょっとボサボサにして鬼気迫る感じにしちゃえば、よりリアル。

「二人の女兵士の物語」(新国立劇場・小劇場)

ソワレは、下北沢からそのまま京王線に乗って初台へ移動です。
場所は新国立劇場。
といってもシェークスピアとかオペラとか、そんなんじゃありません。
小劇場ですよ、小劇場。
本来のステージから客席に向かってさらにステージを三角形に張り出し、その張り出されたステージを、両サイドの客席から見ると言う趣向の「ロフト」ステージ。
ちょうどこんな感じなんですね。
実験的なスタイルの「ロフト」ステージ

出演は、小島聖と宮島千栄の2名のみ。つまり2人芝居ですな。そのままですけど。
しかしながら、「役者はステージの両側から観客に観られている」という、通常の劇場ではあまりありえない実験的なスタイルに、いったいどのような作品をどのように演出してくるのか、もう考えるだけでワクワクドキドキのサスペンスフルな小劇場空間。
しかも、その作・演出は、今をときめく燐光群の坂手洋二なんですよ。
きっと社会的なメッセージ色の強いものを持ってくるのですよね、ね、ね。
だってタイトルが「二人の女兵士の物語」ですもん。

開演直後、いきなり来ましたよ。吹雪く冬山の屋外に、ロープで括られた一人の女兵士、そして彼女に“自己批判”と“総括”を迫る女兵士。
ここは60年代か、70年代か。全共闘か、中核派か、革マル派か、日本赤軍か。
そんな物語化と思いきや……ん?
なんと暗転するたびに物語は次々とめまぐるしく変わっていくのです。
てっきり、女兵士2名の争いごとを延々と描いた物語とかと勝手に思っていたのですが、さにあらず、オムニバス形式で、様々な状況下における女2名の争いを、時には荒々しく、時にはひっそりと水面下で描きあげる作品だったのでした。
しかしその緩急極めた展開に、観客はステージのの両脇でただ、ただ、圧倒されるだけ。
非常に濃密な内容に仕上がっていたのでした。

こうした「お行儀のいい」劇場で観た作品で、こんなに「メチャクチャ面白かった!」と感じたのは、ひょっとして初めてのことなのかもしれません。
ぜひともおススメ……って、もう終わってるやんけ!
「二人の女兵士の物語」(新国立劇場)

拙者ムニエル「不思議インザハウス」(本多劇場)

今日も今日でダブルヘッダー。
お金の無駄遣いと怒られちゃいますが、観たいお芝居が重なっているのが悪いということで、人のせいにしています。
卑怯な生き方です。でもラクな生き方なのです。悪いか。

そんな訳でまずは一発目。
マチネで、下北沢は本多劇場に拙者ムニエル「不思議インザハウス」を観に行きました。
拙者ムニエル「不思議インザハウス」(本多劇場)

下北沢といえば、まずはいつも行くうどん屋さんで空っ腹を満たしてからお芝居を観るのですが、なんと今日は起きると「うへえ、ヤバイ!」。
パジャマ姿のまま家を飛び出したくなるほどのお寝坊モード。
ご飯なんてゆっくり食べている時間なんてありゃしません。
そんなわけで仕方なく、下北沢駅前の松屋で牛めしなんぞかき込むだけであとはジッとガマンの子でありました。
でもそのおかげで、何とかセーフ、ギリギリ開演5分前に座席に到着したのです。

内容はというと、あははは、やはりそこは拙者ムニエル。
無駄とも思えるほど異様に高いテンションの主役に、そしてオゲレツとナンセンス。
健在です、健在。
また前回公演では長いだけでグダグダに思えたプロットも、今回はきちんと練られており、構成もかなりしっかりとしています。
何より、ラストのオチを迎えるまでの展開が非常にいいのです、いい!
ある意味、パラドックスものに通じるものがあるのですが、それでも思わず涙ぐんじゃいましたよ、恥ずかしながら。
前回公演では正直「これからも観続けたいと思えるかな......どうかな......」と悩んだものですが、今回のこのレベルが維持されるのであれば問題はありません!
そんな訳で、楽しみな次回公演は......おい。来年秋かよ。
まあそこはそれ、おいしいお菓子はあとに取っておくようなもの、お楽しみがまだ1年も先にとっておけるということで待たせていただきます。

本多劇場でで配布されていた他の劇団の公演告知チラシです。
「イキガイイ」とは「キチガイイッ!」と似ている
色々とこの劇団の誉め言葉を色々な人が書いてあったりするのですが、そのなかに「イキガイイ」と書かれてあったりします。
どうやら「活きがいい」と言いたかったと思うのですが、ぼくの場合、どうみてもヒステリックに

「キチガイイッ!」

と叫んでいるようにしか見えないのです。
いや、ただそれだけなので、「だからどうした」と訊かれても困るんですけど。

生まれて初めて、映画のエキストラに参加しました

そんな訳で、会社をサボって(と言っても有給をちゃんととって)、行ってきましたよ、映画のロケ。
会社に行くよりも早起きして、朝の8時半に現地入り。
しかし寒い。とにかく寒い。雨がシトシトと降るなか、着いたところは倉庫を改装したようなところ。
またこの中が寒いんです。腰痛持ちには耐えられません。
そんな底冷えする会場だというのに、撮影開始前から「はい、じゃあジャケットを脱いでください」との指示が出て、ひぇ~ブルブル。

撮影が始まる前に、まずは今日のシーンで出演する俳優たちのご紹介。
おお、アンナ人が。おお、コンナ人が。
テレビで観ていると非常に“微妙な人たち”なんですが、それでもミーハーなぼくは間近で見られたことで「ううーん、本物だー」とウキウキ、そしてジロジロ。

そうこうするうちに始まりましたよ、撮影が。
今回のエキストラの役どころは、とにかく声を出すこと。
朝一番から、しかも寒いところで、とにかく大声で叫び続けていたものだから、あっという間にノドが痛くなってしまいました。
昼休みに入るころには、もうすっかり声が枯れてしまいました。
大声で叫んでいると普通に声が出るのですが、通常のトーンに落とすとその声はまるで森進一か、中村あゆみか、ジャイアンか。
いい感じにハスキーボイスになってとってもセクシーなオレに変身してしまっていたのでありました。
ぬははははは。

しかしさすがは周りは、エキストラとはいえ、ホンモノの関係者の方たち。
撮影の合間に聞こえてくる会話と言えば、「あのCMオーディションの結果が……」とか「あのドラマ出られそう……」とか、そんなぼくの日常では聞けるはずのない会話ばかりなんですね。
ぼくの周りで交わされる会話といえば、オーディションならぬ「オークション」なんです。
ドラマは出るのじゃなくて観るものなんです。
そんな訳で、ちょっと居場所に困ったぼくなのでした。

撮影は、本来であれば22時まで続けられる長丁場の予定だったのです。
ぼくも気合を入れてオッシャー……と出ない声を振り絞ってがんばっていたのですが……あらあら。
主役俳優が飛ぶシーンで、変な落ち方をしてしまい頭部を強打するというアクシデントが発生したのです。
幸いにして命に別状はなかったのですが、動くとかなり痛むということで、撮影継続が不可能に。17時にはアッサリ終わってしまいました。
そんな訳でシトシトと相変わらず寒い天気の下、夕食用のロケ弁と、お足代を頂いて早々に帰ってきたのでした。

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