劇団桟敷童子「しゃんしゃん影法師」(中野光座)

昨日までシトシト、ザアザア降り続いていた雨も上がって絶好のお出かけ日和。
気温も温かくなって、すっかり春めいた気持ちのよさです。
こんな日のことを小春日和というのでしょう。
......とまあ、そんな知ったかぶりはどうでもいいとして(なら書くなよ)、こんな気持ちのいい日に、中野までお出かけしてきました。
すっかり前回公演でその独特の世界観と、ラストの大仕掛けで見せるカタルシス、そして劇団員全員による手作り感覚がお気に入りになってしまった、劇団桟敷童子の新作「しゃんしゃん影法師」の舞台を観に行ったのです。
劇団桟敷童子「しゃんしゃん影法師」

この劇団、いつも普通の劇場ではやりません。
前回公演では倉庫でしたし、今回は廃映画館です。
この「廃映画館」が曲者でした。
駅から歩いてすぐのはずなのに、どこにあるのかサッパリ判りません。
ウロウロすること約5分、家にいる相方に電話でSOS、Webサイトの地図を見てもらって誘導してもらいました。
どうも気がつかず行き過ぎていたようです。
引き返して......「ああ、ここか!」
これがきっと日中だったら、この独特の雰囲気が異彩を放っていて気がついたと思うのですが、すっかり暗くなってしまった夜にウロウロしていると、まず見落としてしまうに違いありません。
しかし一歩入ってしまうと、この独特の雰囲気がまたいいんです。
入り口がこんな感じで判りづらかった「中野光座」

客席数は80席ほど。昔の映画館らしい椅子が郷愁をそそります。
ステージには、やはり木材をふんだんに使用した手作りのセット。
木材をふんだんに使用していると判るのは、館内中に木のいいにおいがプンプンしていたからです。
もうホームセンターもかくや、と思われるほどのいいにおいっぷりでした。
肝心の物語ですが、いいです。これは非常にいい!
時代は昭和30年代、閉鎖されたムラの風習とそれに囚われた人々の悲哀や滑稽さを、「神隠し」をテーマとしながら描き出されています。
うーん、一言で言ってしまうと非常に泥くさそうで、面白みが感じられなさそうですが、いえいえ、いえいえ、そんなことありません。
独特の世界観と様式美をステージ上に取り入れた演出は、逸品ものです。
それは、何と言ってもラストに現れます。
ステージ全面を目一杯使ったラストの大仕掛けには、やはり圧倒されてしまいました。
そして、その大仕掛けをバックに見得を切る主役の板垣桃子。
今回は、あまり彼女の女優魂を見せることなかった演出でしたが、ラストのこの見得には思わずゾクゾクとサブイボが立ってしまいました。
もちろん、顔は涙と鼻水の大洪水状態。
ああ、やばい。思い出しただけでまた、何か汁物が目と鼻から出そうになってしまいました。
公演が終わってロビーに出てみると、あうあう、役者全員が揃って並んでいて、観客が出てくるたびに「ありがとうございました」。
ああ、久しくこんな丁寧なお見送りをされたことはありませんね。
やっぱりいいですわ、ここは。
今、一番気になる劇団になった今日でした。

と言っても、次回公演は7月と言うことで、エラク待たされてしまいますが。
(しかも、ザ・スズナリということで、初の劇場公演だそうです。ちょっと複雑な心境)

自宅近くまで戻ってくると、いつものニャンコが遊んでいってよ、とニャーニャーニャー。
うーん、仕方がないなあ。ちょっとだけだよ......と喉元をゴロゴロさすってやると、やっぱりぼくのフィンガーテクニックには適わないのか、とっても気持ちよさそうにトロンとした目つきになってしまって、フニャア。
「じゃあ、もう帰らなくっちゃ。またね」と立ち上がろうとすると、「待って......もっとやって」と催促のお手なんてしちゃうのです。
ニャンコがお手なんてしている......
コヤツ、本当に野良なんでしょうか。