NYLON100℃「男性の好きなスポーツ」(本多劇場)

NYLON 100℃の第26回公演「男性の好きなスポーツ」を観るため、下北沢・本多劇場に行ってきました。

しかし下北沢の街って、相変わらず歩いているヒトの数がメチャクチャ多いのです。
自分もその一人であるくせに「いったい、どこからこんなに湧いて出てきたんや?」と、ついつい愚痴ってしまうほどの人口密度です。
何しろ人の身体がぎっしり詰まっているから、道路が見えません。
こんな状態で火事がおこったり、洪水になったり、竜巻が襲ってきたり、宇宙人が攻めてきたら大変なパニックになるでしょうよ。
きっとオーソン・ウェルズもビックリするに違いありません。

オーソン・ウェルズといえば、「イングリッシュアドベンチャー」。
「少年ジャンプ」や「りぼん」といったマンガ雑誌に、必ず広告が掲載されていたあの英語教材の顔でした。
あれって、彼が死んだ今となってはどうなっているのでしょうか?
日ペンの美子ちゃんと並んで、かなりのロングセラー広告だったと思うのですが、もうなくなっていたらちょっと悲しい。

マンガ雑誌と言えば、下北沢の駅前で「紙芝居屋さん」ならぬ、「マンガ屋さん」を見かけました。
紙芝居のように、マンガを観客のために読みあげると言う、ただそれだけのものです。
いや、それだけなのですが、これがどうしてなかなか面白いのです。
通りかかったときにちょうどやっていたのが「北斗の拳」。
このお兄さんの熱演が、もう大変なのです。
お兄さん一人で、ケンシロウもラオウもバットもユリアも、皆やっちゃうのです。
その熱演たるや、「アニメのケンシロウでもここまで熱くはなかったぜ、神谷さんよっ!」と、まったく関係ないはずの神谷明にまでツッコミを入れたくなるほどなんです。
もう駅前の路上は爆笑の渦。
しかもそのお兄さんのマンガのストックを見ると、「北斗の拳」以外にもあるわあるわ……。
しかしそのストック、「魁! 男塾」や「聖闘士星矢」、「ガラスの仮面」あたりならまだしも、「すごいよマサルさん」や「動物のお医者さん」、果ては「あさりちゃん」まであったりして、いったいどんな朗読をしてくれるのでしょうか。
ああ、気になりだしたらドンドンと気になってきた……。
でも一人では朗読をお願いする勇気はないし。

誰か、ぼくと一緒に「あさりちゃん」を見ませんか? 「すごいよマサルさん」でも可能です。

で、本日肝心のナイロン100℃ですが、まずは公演時間からしてケラらしさが出てました。
3時間半。
19時開演だったので、終わると22時30分。遠くから来ている人はキツかったかもしれません。
しかしそのような長さは一切感じられなかったのは、複数のエピソードが同時進行で語られながらも絡み合うストーリー構成だったからなのかもしれません。
そういう意味では、これまでのNYLON 100℃にはない新しいタイプの構成に挑戦をしたのではないかと思うのです。
ただ、あまりに風呂敷を広げてしまったため、エピソードの顛末をすべて回収しきれていない感も拭えないのもまた感じられたのですが。

ただ残念だったのは、NYLONらしい「キチガイぶり」が感じられなかったこと。
確かに、一人一人の性格を見ていくと鬼畜のようなエピソードばかりなのですが、ラスト近くになるとその鬼畜さが急に身を潜めてしまい、観客を煙に巻いている感じがするのですね。
NYLON 100℃の舞台の根底に流れているのは、「フツーに見える人物でも、誰もが狂気をはらんでいる」と言うことのはず。
いつものように徹底的に登場人物を壊し、ストーリーを壊して救いようのない幕切れにしてしまわないと、なんか物足りないのです。

個人的には、あまり期待していなかった(と言うか、単に知らなかった)小沢真珠がその演技力と、圧倒的な存在感にポーッとなっちゃいました。
メチャクチャ眼力(めぢから)ありますね。その眼力(めぢから)から挑んでくるその迫真の演技は、まさに「女優」。
今後も気になる彼女です。
NYLON 100℃「男性の好きなスポーツ」