劇団離風霊船「渚家にて」(中野ポケット)

いやいや、参っちゃいましたよ。
どうしても観たいお芝居が重なってしまったんですね。
ところが会場の場所をよくよく調べてみると、おお、なんてぼくはラッキーボーイ。
どちらの会場も、最寄駅は中央線・総武線沿線だったんですね。
そんな訳でまったくの余裕のよっちゃんで、今日は小屋のハシゴをしてきたのでした。
うーん、日頃の行いはよくしておくものです(←ウソです。いいことは何もしていません)

まず本日の1本目、劇団 離風霊船(リブレセン)「渚家にて」
中野の住宅街の真ん中にある中野ザ・ポケットに行ってきました。
実は劇団 離風霊船、観るのはなんと8年ぶりなんです。
(この8年の間に、高橋克実は離風霊船を退団していたんですねー。
  しかも今やトリビアの泉で人気者になっちゃっているし)

今回のタイトルはSF好きにはピンときちゃうのですが、そこはそれ、単に「渚にて」のパロディではありません。
核戦争後の世界における一家団欒の物語だったはずのストーリーが、進むに連れてイラクの人質問題が浮き彫りにされてくる仕掛けになってくるのです。
こうした、一見何の関係もない話が進行しているように見せかけておいて、後半、一気に物語の根底を覆し、社会に潜む悪意や問題点を描き出す手法は、離風霊船の得意とするところですね。

また離風霊船と切っても切れないのが舞台セット。
今回は、部屋が崩壊したり、お茶の間が一瞬にして墜落現場になるような大仕掛けはありませんでしたが、「一家団欒を繰り広げるダイニング」と、「その家の外で突入準備をしている救出部隊」を同時に見せるためのアイデアが光っていましたね。
あと、マシンガンの乱射で壁に無数の穴があく仕掛けは、地味ながらもなかなかよくできていました。
どうせだったら、発射音を効果音でなく火薬を使えば、銃撃そのものがリアルになり問題提起がより深くなったのではないかと思います。
確かに、最初の一発だけは実際に火薬を使用しましたが、それだけにあとが効果音だったのが残念でなりません。
予算の関係上か、それとも1発だけ火薬を鳴らして、単に観客を驚かしたかっただけなのか。

しかし終わってチラシを観てみると……あれあれ?
あらすじ紹介がまったく異なっているのですよ。
ひょっとして大幅に書き直したのでしょうか。
いやー、それでもよかったですよ、本当に。
(物語途中で感極まってしまって、きゅうきゅうと泣いてしまったのはナイショです)

ロビーでは、さっきまで公演していたメンバー全員が集まって、ファンの皆さんと談笑中。
うひゃあ、こんなに気取りのない劇団だったんだ。
書き終えたアンケートをどこに出せばいいのかな……とロビーをウロウロしていると、出演していたお姉さんが「あ、いいですよ。預かりますよ」。
うーん、8年間もご無沙汰していたのがとてももったいない劇団なのでした。
劇団 離風霊船「渚家にて」