月影十番勝負 第八番「ダブルアルバム」

夕方からは、ぼくと相方とその友人の3人連れで新宿へレッツラ・ゴウ!。
劇団☆新感線に所属する高田聖子のプロジェクト「月影十番勝負」の第八番目、“ダブルアルバム”を観に来ているのです。
ケラが主宰するナイロン100℃を代表するように、ここ最近は、いわゆる小劇場系の舞台演出がかなり映画的(オープニングやエンディングでスタッフロールを流したり、幕間にフィルムを使用したりなど)になってきているなか、この月影十番勝負で演じられる作品はすべて、ガッチガチの演劇的なものだと思うのですね。
よく言えば「本物の演劇」という印象なんですが、悪く言えば「華がない」。
だからでしょうか、観客も比較的年齢層が高いように思われます。
新感線の観客がどちらかというと“ミーハー路線の若い女子”という層であるなら、今回の観客は“落ち着いて観る演劇好きのオヂサマ、オバサマたち”という感じとでも言えばいいのでしょうか……(怒られそう)。
しかしながらそういった“落ち着いて観る客層”と思わされたのは見た目だけの話で、実際には……トホホのホ。
笑うべきではないようなところで笑う客や、おかしくはないけど笑わそうとしているところでムリして笑っている客が多いのですよ。いやーん。
別にお笑いのステージを見に来ているのじゃないんだから、おかしくなかったらおかしくないで笑う必要はないと思うのだけど、ああいった人たちは「笑ってあげないと」と優しい方々が多いのでしょうか。

肝心のステージ内容だが、前半はかなり退屈なんです。
展開がトロいうえにセリフが説明チックなので、ストーリーがまったく見えてこないのですよね。
後半になり、ようやくメリハリが出てきてエンジンも掛かりだした感じだけど、ちょっと「今ごろ……」と残念な気がしないでもないんです。
やっぱり演出が地味すぎるのかなあ……。
扱っているテーマが、家族の問題としてはかなり重いものであるので、もっと狂気をさらけ出した方が、よりリアルになったかもしれません。
(あるいは、昨今の「映画的演出」にぼくが毒づいてしまって、派手でないと満足できない身体になってしまっただけなのかもしれないけど)
あ、でも決して面白くなかったというわけではないですよ。
たった3名の役者だけでありながらも、舞台の時空が50年前と現在が交互に展開され、さらにはそれぞれの年代のそれぞれの登場人物からの視点を描くあたりは、下手すると、観客を混乱させるだけであったと思うのですが、役者が見事にキャラクターを演じ分けているあたり、さすが。
だからこそ、地味な演出だったのが余計で残念でならないのですね。
月影十番勝負 第八番「ダブルアルバム」